学習トップ / 理由で解く 解剖学 / 第1章 ▸ C. 体表構造(皮膚) / Q0046

理由で解く 解剖学

Q0046 人体の構成

出典:あマ指 第1回(1993) 問題35
問題
爪を形成する組織はどれか。
選択肢
1 表皮
2 真皮
3 末節骨
4 皮下組織
解答
正解1(表皮)
解説

爪(爪甲)は皮膚の付属器で、表皮の細胞が角化(硬いケラチンを蓄えて死んだ角質になること)して板状に硬くなったものである。角質をつくれるのは上皮である表皮だけなので、爪を形成する組織は表皮となる。

皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織の3層からなる。表皮は上皮組織(重層扁平上皮)で、最も深い基底層で細胞がさかんに分裂し、押し上げられながらケラチンを蓄えて角化し、最表層の角質層になる。これに対し真皮と皮下組織は結合組織、末節骨は骨組織で、いずれも角化しない。つまり「角化する上皮か、角化しない支持組織か」で4つの選択肢は一度に切れる。爪甲は、爪の根もと(爪根)の下にある爪母とよばれる表皮の増殖部でつくられた細胞が角化したもので、根もとから前方へ押し出されるように伸びていく。毛・爪・皮膚腺はいずれも表皮に由来する皮膚付属器だとまとめて覚えるとよい。なお爪をのせている爪床は爪甲の下の皮膚で、表皮(爪床上皮)とその下の真皮からなり、真皮側は血管・神経を送って爪を支えるが、爪甲そのものをつくり出す組織ではない。

✓ 1. 正しい
表皮
表皮は角化する上皮で、基底層で生まれた細胞がケラチンを蓄えて角質になる。爪甲も爪根の下の爪母(表皮の増殖部)でつくられた細胞が角化した角質の板であり、毛や皮膚腺と同じ表皮由来の皮膚付属器である。角質をつくれるのは4つのうち表皮だけなので、これが正しい。
✗ 2. 誤り
真皮
真皮は表皮の下にある結合組織の層で、膠原線維に富み、血管・神経や触圧覚の受容器(マイスナー小体など)を含む。角化しないため角質である爪をつくることはできない。爪の下の爪床でも、真皮は深層として爪甲を支え栄養を送る側にまわり、爪をつくるのは爪床の表面にある表皮(爪母)である。
✗ 3. 誤り
末節骨
末節骨は指の先端の骨で、骨組織(支持組織)である。爪床のさらに深部にあって指先の形を保つ土台にはなるが、角化する上皮ではないため爪の材料をつくれない。「爪の下に骨がある」ことと「爪をつくる」ことは別だと区別する。
✗ 4. 誤り
皮下組織
皮下組織は真皮の下にある疎性結合組織で、脂肪を多く含み、パチニ小体などの受容器もみられる層である。皮膚を下の筋や骨とゆるくつなぐ役割をもつが、真皮と同じく結合組織で角化せず、爪の形成には関与しない。
ポイント
  • 皮膚は外側から表皮(重層扁平上皮)・真皮(結合組織)・皮下組織(脂肪に富む疎性結合組織)の3層。
  • 判別の軸は「角化するか」。角質をつくれるのは上皮である表皮だけで、真皮・皮下組織(結合組織)や末節骨(骨組織)は角化しない。
  • 爪・毛・皮膚腺はいずれも表皮に由来する皮膚付属器。爪甲は爪根の下の爪母でつくられた細胞が角化した板で、前方へ押し出されて伸びる。
  • 爪床は爪甲の下の皮膚で、表皮(爪床上皮)とその下の真皮からなる。真皮側は血管・神経を送って爪を支え、末節骨は深部の土台。どちらも爪甲そのものはつくらない。
  • 爪母は爪根の下にあり、ここが損なわれると爪甲の変形が残りやすい。爪床だけの損傷なら爪母が保たれていれば爪は生えかわる――「つくるのは表皮(爪母)、支えるのは真皮と骨」の区別が効く。
  • 重要用語: 表皮, 角質層, 爪母, 爪床, 皮膚付属器 を正確に理解しておくこと。
比較表
構造組織の種類・位置角化するか爪との関係
表皮皮膚の最外層。上皮組織(重層扁平上皮)する(角質層をつくる)爪母で生まれた細胞が角化して爪甲になる=爪を形成する組織
真皮表皮の下の結合組織。血管・神経に富むしない爪床の深層として爪甲を支え栄養を送る(爪甲そのものはつくらない)
皮下組織真皮の下の疎性結合組織(脂肪に富む)しない皮膚を下層につなぐ。爪の形成には関与しない
末節骨指先の骨(骨組織)しない爪床の深部で指先を支える土台
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題35|爪を形成する組織はどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題35|爪を形成する組織はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手