学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0676

理由で解く 解剖学

Q0676 神経系

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題15
問題
上肢の神経の走行について正しいのはどれか。
選択肢
1 筋皮神経は上腕骨解剖頸に沿って走行する。
2 正中神経は上腕骨結節間溝を通る。
3 尺骨神経は上腕骨外側上顆後面を通る。
4 橈骨神経は上腕骨体後面を通る。
解答
正解4(橈骨神経は上腕骨体後面を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
筋皮神経は上腕骨解剖頸に沿って走行する。
筋皮神経は腕神経叢外側神経束から起始し、烏口腕筋を貫いて上腕二頭筋と上腕筋の間を走行する。解剖頸(骨頭と結節の境界)に沿うのは腋窩神経が関節包の下で走る経路であり、筋皮神経は骨表面には沿わない。
✗ 2. 誤り
正中神経は上腕骨結節間溝を通る。
上腕骨結節間溝(大結節と小結節の間)を通るのは上腕二頭筋長頭腱である。正中神経は上腕では腋窩から上腕動脈に伴走して上腕内側を下行し、肘窩で円回内筋2頭間を通って前腕屈筋群に入る。結節間溝は通らない。
✗ 3. 誤り
尺骨神経は上腕骨外側上顆後面を通る。
尺骨神経は上腕骨「内側」上顆後面の尺骨神経溝=肘部管を通る。外側上顆後面には橈骨神経の分枝(上腕筋枝・肘関節枝)が走るが、尺骨神経は確実に内側上顆後面である点が臨床上重要。
✓ 4. 正しい
橈骨神経は上腕骨体後面を通る。
橈骨神経は上腕骨体後面の橈骨神経溝(螺旋溝)を上腕深動脈とともに螺旋状に走行し、上腕三頭筋内側頭と外側頭の境界を下行する。この溝は上腕骨中央よりやや上方にあり、上腕骨幹部骨折で最も損傷を受けやすい神経である。
ポイント
  • 橈骨神経は上腕骨体後面の橈骨神経溝(螺旋溝)を螺旋状に走行する、上腕骨幹部骨折で最も損傷されやすい神経である。
  • 覚え方のコツ: 「橈骨は体後面(溝)/尺骨は内側上顆後面/正中は上腕動脈伴走(前面)/筋皮は筋間」の4神経4走行を対応暗記。
  • 関連知識: 腋窩神経は上腕骨外科頸の後面を走り、肩関節脱臼で同時に損傷される。走行部位と骨突起の位置関係が臨床診断の鍵。
  • よくある間違い: 尺骨神経を外側上顆後面、正中神経を結節間溝と誤る。走行部位はすべて上腕骨表面の特徴と対応させて記憶する。
  • 臨床応用: 上腕骨幹部骨折(midshaft fracture)では橈骨神経損傷率が約15〜20%と高く、下垂手・手背橈側感覚障害を生じる。Holstein-Lewis型骨折で特に注意。
比較表
神経 上腕での走行部位 関連する骨突起/構造
腋窩神経 四辺形孔→上腕骨外科頸後面 外科頸
筋皮神経 烏口腕筋貫通→上腕二頭筋と上腕筋の間 筋間(骨に沿わない)
正中神経 上腕内側を上腕動脈と下行→円回内筋2頭間 内側(結節間溝は通らない)
橈骨神経 橈骨神経溝(上腕骨体後面)→外側上顆前方 上腕骨体後面
尺骨神経 上腕内側→内側上顆後面(尺骨神経溝) 内側上顆後面
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題15|上肢の神経の走行について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題15|上肢の神経の走行について正しいのはどれか。
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