学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0618

理由で解く 解剖学

Q0618 神経系

出典:あマ指 第1回(1993) 問題34
問題
腕神経叢の枝で上腕骨の後方を回る神経はどれか。
選択肢
1 筋皮神経
2 正中神経
3 尺骨神経
4 橈骨神経
解答
正解4(橈骨神経)
解説
✗ 1. 誤り
筋皮神経
筋皮神経は腕神経叢の外側束から起こり、烏口腕筋を貫いて上腕屈筋群(上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋)の間を遠位に下行する。上腕骨の前面から外側にかけて走行し、上腕骨後方を回ることはない。前腕では外側前腕皮神経として皮膚感覚を担う。
✗ 2. 誤り
正中神経
正中神経は外側束と内側束から合流して形成され、上腕では上腕動脈に伴走して内側上腕二頭筋溝の深部を肘窩まで下行する。上腕骨前内側を通り、後方には回らない。前腕屈筋群の大部分と母指球筋を支配する重要な神経である。
✗ 3. 誤り
尺骨神経
尺骨神経は内側束から起こり、上腕では内側上腕二頭筋溝の中央付近から下行して、肘関節後方の上腕骨内側上顆の後ろにある尺骨神経溝を通る。上腕骨後面ではなく内側を回るため、後方を回るとは言わない。打撲で痺れる「ファニーボーン」の部位として有名。
✓ 4. 正しい
橈骨神経
橈骨神経は腕神経叢の後束から起こり、腋窩動脈の後方から上腕に下行し、上腕骨体後面の橈骨神経溝(らせん溝)に沿って外側へと巻き付くように走行する。上腕骨を後方から外側へ回る走行が特徴で、この溝の部位で上腕骨骨幹部骨折により損傷されると下垂手を生じる。上腕三頭筋と前腕伸筋群を支配する。
ポイント
  • 橈骨神経は後束から起こり、上腕骨体後面の橈骨神経溝(らせん溝)に沿って後方から外側へと巻き付くように下行する。
  • 覚え方のコツ: 「橈骨神経=後ろから巻き付くらせん溝」と図のイメージで記憶。腕神経叢4本では「筋皮=前面、正中=内側深部、尺骨=内側上顆後ろ、橈骨=後面」と上腕での位置を方位で対比する。
  • 関連知識: 後束は橈骨神経・腋窩神経の起源。腋窩神経は外科頸を内側→後面に回り三角筋・小円筋を支配し、橈骨神経は橈骨神経溝を通って前腕伸筋群を支配する。
  • よくある間違い: 尺骨神経が「上腕骨内側上顆の後ろ」を通ることと、橈骨神経の上腕骨後面走行を混同しやすい。「内側上顆の後ろ」は肘関節レベルの局所所見であり、上腕骨後面のらせん状走行とは異なる。
  • 臨床応用: 上腕骨骨幹部骨折(特に中央〜遠位3分の1)では橈骨神経溝を通る橈骨神経が損傷されやすく、手関節背屈不能による下垂手・母指外転障害・第1〜2指間背側の感覚障害をきたす。
比較表
末梢神経 起こる神経束 上腕での走行位置 主な支配筋
筋皮神経 外側束 上腕前面(屈筋群間) 上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋
正中神経 外側束+内側束 内側上腕二頭筋溝(上腕動脈と伴走) 前腕屈筋大部分・母指球筋
尺骨神経 内側束 上腕内側→内側上顆後方 手内筋大部分・小指球筋
橈骨神経 後束 上腕骨後面の橈骨神経溝 上腕三頭筋・前腕伸筋群
腋窩神経 後束 上腕骨外科頸後面 三角筋・小円筋
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題34|腕神経叢の枝で上腕骨の後方を回る神経はどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題34|腕神経叢の枝で上腕骨の後方を回る神経はどれか。
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