学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0597

理由で解く 解剖学

Q0597 神経系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題31
問題
脳神経において副交感性の線維を含むのはどれか。
選択肢
1 動眼神経
2 滑車神経
3 眼神経
4 外転神経
解答
正解1(動眼神経)
解説
✓ 1. 正しい
動眼神経
動眼神経IIIは中脳のEdinger-Westphal核(動眼神経副核)を起点とする副交感線維を含み、毛様体神経節でニューロン交代した節後線維が瞳孔括約筋(縮瞳)と毛様体筋(水晶体の厚み調節)に分布する。運動線維(外眼筋4筋+上眼瞼挙筋)に副交感線維を加えた2系統構成で、動眼神経が純運動ではない点が大切である。したがって副交感線維を含む脳神経として本選択肢が正解となる。
✗ 2. 誤り
滑車神経
滑車神経IVは中脳下部から出て上眼窩裂を通り、上斜筋のみを支配する純運動性の脳神経で、副交感線維は含まない。12対の脳神経中で最も細く、唯一脳の背側から出て反対側に回り込むという独特な走行をとる特徴を持つ。
✗ 3. 誤り
眼神経
眼神経V1は三叉神経第1枝で、上眼窩裂を通って眼窩内に入り、前頭部・上眼瞼・鼻背の皮膚や角膜など眼窩内構造物の一般感覚を担う純感覚性の神経枝である。副交感線維は含まない。
✗ 4. 誤り
外転神経
外転神経VIは橋下縁から出て斜台の硬膜を貫き、上眼窩裂を通って眼窩内に入り、外側直筋のみを支配する純運動性の脳神経である。副交感線維は含まない。頭蓋内で最も長く走る脳神経の一つで、頭蓋内圧亢進の際に早期に障害されやすい(外側直筋麻痺で複視)。
ポイント
  • 副交感線維を含む脳神経は III(動眼:縮瞳・焦点調節)・VII(顔面:涙腺・顎下腺・舌下腺・鼻粘膜)・IX(舌咽:耳下腺)・X(迷走:胸腹部内臓)の4本。この4本は「脳神経で頭部+胸腹部の副交感を担当する4本」として頻出。
  • 覚え方のコツ: 副交感は「3・7・9・10」(奇数→10)と番号で記憶し、「III=目(縮瞳)、VII=涙・唾、IX=耳下腺、X=胸腹部」と部位を順番で対応づける。
  • 関連知識: 動眼神経の副交感線維はEdinger-Westphal核→動眼神経下枝→毛様体神経節(節後ニューロンに交代)→短毛様体神経と中継される。瞳孔対光反射の遠心路として機能し、反射の求心路は視神経II・視蓋前核。
  • よくある間違い: 動眼神経を「純運動性」と誤解する誤り(副交感も含む)/滑車IV・外転VIに副交感があると誤解する誤り(いずれも純運動)/眼神経V1の「眼」から副交感を結びつけてしまう誤り(V1は純感覚性)。
  • 臨床応用: 動眼神経麻痺では眼瞼下垂・眼球外下方偏位に加え、副交感線維の障害で瞳孔散大(散瞳)と対光反射消失が現れる。内頸動脈-後交通動脈瘤による圧迫では、外側を走行する副交感線維が早期に障害されるため瞳孔散大が初発症状となりうる。
比較表
脳神経 副交感の起始核 経由神経節 標的
III 動眼 Edinger-Westphal核 毛様体神経節 瞳孔括約筋・毛様体筋
VII 顔面(大錐体神経) 上唾液核 翼口蓋神経節 涙腺・鼻粘膜・口蓋腺
VII 顔面(鼓索神経) 上唾液核 顎下神経節 顎下腺・舌下腺
IX 舌咽 下唾液核 耳神経節 耳下腺
X 迷走 迷走神経背側核・疑核の一部 壁内神経叢 胸腹部内臓(骨盤臓器は除く)
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題31|脳神経において副交感性の線維を含むのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題31|脳神経において副交感性の線維を含むのはどれか。
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