学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0598

理由で解く 解剖学

Q0598 神経系

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題27
問題
脳神経において正円孔を通るのはどれか。
選択肢
1 視神経
2 眼神経
3 上顎神経
4 外転神経
解答
正解3(上顎神経)
解説
✗ 1. 誤り
視神経
視神経IIは蝶形骨の視神経管を通って頭蓋腔と眼窩を行き来する。視神経管は正円孔とは別の孔で、視神経と眼動脈のみが通過する専用通路である。視神経は実質的に中枢神経系の延長で、周囲を硬膜・クモ膜・軟膜と脳脊髄液が取り囲む。正円孔ではない。
✗ 2. 誤り
眼神経
眼神経V1は三叉神経第1枝で、上眼窩裂(動眼III・滑車IV・外転VIと共通の通路)を通って眼窩内に入り、前頭部・上眼瞼・鼻背・角膜・結膜など眼窩内構造物の一般感覚を担う純感覚性の神経枝である。正円孔ではない。
✓ 3. 正しい
上顎神経
上顎神経V2は三叉神経第2枝で、中頭蓋窩の三叉神経節(半月神経節)から分岐したのち、蝶形骨の正円孔を通過して翼口蓋窩に達する。翼口蓋窩では頬骨神経・翼口蓋神経(翼口蓋神経節を経由)・眼窩下神経・上歯槽神経などの枝を分け、上顎歯・頬・上唇・鼻粘膜・口蓋粘膜の一般感覚を担う純感覚性の神経である。したがって正円孔を通る脳神経として本選択肢が正解となる。
✗ 4. 誤り
外転神経
外転神経VIは橋下縁から出て斜台の硬膜を貫き、上眼窩裂を通って眼窩内に入り外側直筋を支配する。正円孔ではない。上眼窩裂は動眼・滑車・眼神経V1・外転・上眼静脈の共通通路。
ポイント
  • 正円孔はV2上顎神経のみが通る専用孔で、蝶形骨大翼に位置し翼口蓋窩に通じる。V1は上眼窩裂、V3は卵円孔と、三叉神経3枝は異なる3つの孔を通過する。
  • 覚え方のコツ: 「V1=上眼窩裂(Superior orbital fissure)」「V2=正円孔(foramen Rotundum)」「V3=卵円孔(foramen Ovale)」と数字と孔の形をセット暗記。Rotundum(2=V2、ラテン語で丸)、Ovale(3=V3、卵形)。
  • 関連知識: V2は翼口蓋窩内で翼口蓋神経節(VII由来の副交感神経節)と隣接し、節後線維はV2の枝(頬骨神経→涙腺神経への交通枝)に乗って涙腺・鼻粘膜・口蓋粘膜の腺へ分布する。V2自体の本線維は純感覚性のまま保たれる。
  • よくある間違い: 視神経管と正円孔を混同する誤り/V1眼神経を正円孔通過と誤解する誤り(実際は上眼窩裂)/V3下顎神経を正円孔通過と誤解する誤り(実際は卵円孔)。
  • 臨床応用: V2領域の三叉神経痛は頬部・鼻翼・上口唇・上顎歯に鋭い発作性疼痛を呈し、咀嚼・歯磨き・洗顔などで誘発される。歯科疾患との鑑別が重要で、上顎洞炎との誤認も多い。神経ブロック治療では正円孔への上顎神経ブロックが行われる。
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題27|脳神経において正円孔を通るのはどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題27|脳神経において正円孔を通るのはどれか。
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