学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ D. 小脳 / Q0511

理由で解く 解剖学

Q0511 神経系

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題26
問題
小脳について正しい記述はどれか。
選択肢
1 小脳は間脳の背面にある。
2 小脳皮質は白質である。
3 小脳核は髄質にある。
4 下小脳脚は中脳と連絡する。
解答
正解3(小脳核は髄質にある。)
解説
✗ 1. 誤り
小脳は間脳の背面にある。
小脳は大脳の後下面に接し、橋と延髄の背面にかぶさるように位置する。間脳の背面ではなく、橋・延髄(脳幹の下部〜中部)の背面にある点に注意。間脳は中脳の前方に位置し、小脳とは離れた場所にある。
✗ 2. 誤り
小脳皮質は白質である。
小脳の表層を覆う小脳皮質は神経細胞体が集合する灰白質で、外側から分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層の3層構造をなす。深部の小脳髄質こそが白質で、両者の位置関係(皮質=灰白質・表層、髄質=白質・深部)は大脳と同じ構成である。
✓ 3. 正しい
小脳核は髄質にある。
小脳は表層の小脳皮質(灰白質)と深部の小脳髄質(白質)からなり、小脳核(4対:歯状核・栓状核・球状核・室頂核)は小脳髄質の深部に埋まる灰白質の塊である。小脳皮質のプルキンエ細胞は唯一の出力ニューロンで、GABAを介した抑制性シナプスを小脳核のニューロンに形成し、小脳核はそこからの情報を統合して上・下の小脳脚を通じて脳幹や視床へ出力する。つまり小脳皮質→小脳核→脳幹・視床→大脳皮質という処理の流れを取り、小脳核は小脳の最終出力拠点として機能する。また室頂核は虫部と、球状核・栓状核は中間帯と、歯状核は半球外側と対応している。
✗ 4. 誤り
下小脳脚は中脳と連絡する。
小脳は上小脳脚・中小脳脚・下小脳脚の3対で脳幹と連絡するが、上小脳脚が中脳、中小脳脚が橋、下小脳脚が延髄と連絡する。下小脳脚は延髄からの脊髄小脳路や前庭核からの入力を運ぶため、中脳との連絡は上小脳脚が担う。
ポイント
  • 小脳は表層の3層性灰白質(小脳皮質)と深部の白質(小脳髄質)からなり、髄質内に4対の小脳核が埋まる。
  • 覚え方のコツ: 「皮質=灰・表、髄質=白・深、核=髄質の中」と位置関係を3段階で記憶。小脳脚は「上=中脳、中=橋、下=延髄」と上下対応。
  • 関連知識: 小脳皮質の3層は外側から分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層。小脳は機能的に原小脳(前庭系・平衡)、古小脳(脊髄系・姿勢)、新小脳(大脳系・巧緻運動)に区分される。
  • よくある間違い: 「小脳皮質=白質」と混同/「下小脳脚=中脳」と連絡部位を取り違える。下小脳脚は延髄と、とセット暗記が基本。
  • 臨床応用: 小脳障害では小脳性運動失調(同側)、歩行時のふらつき(失調歩行・酩酊様歩行)、企図振戦、測定異常、反復拮抗運動不能、眼振などが出現。虫部障害で体幹失調、半球障害で四肢失調が優位。
比較表
小脳脚 連絡先 主な線維内容
上小脳脚 中脳 小脳→赤核・視床(遠心性、歯状核出力)
中小脳脚 橋核→小脳皮質(求心性、最大の小脳脚)
下小脳脚 延髄 脊髄小脳路・前庭小脳路の入力、小脳→前庭核
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題26|小脳について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題26|小脳について正しい記述はどれか。
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