学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ D. 小脳 / Q0510

理由で解く 解剖学

Q0510 神経系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題27
問題
小脳にみられるのはどれか。
選択肢
1 オリーブ
2 黒質
3 赤核
4 歯状核
解答
正解4(歯状核)
解説
✗ 1. 誤り
オリーブ
オリーブは延髄腹外側面の楕円形の隆起で、内部にオリーブ核を含む。赤核・小脳・脊髄と結合し錐体外路性運動に関与する延髄の構造であり、小脳の構造ではない。
✗ 2. 誤り
黒質
黒質は中脳被蓋にある灰白質で、メラニン色素を含むため黒く見える。筋緊張の調節に関与し、その変性によりパーキンソン病が生じる。中脳の構造であり、小脳ではない。
✗ 3. 誤り
赤核
赤核は中脳被蓋の錐体外路系灰白質で、神経細胞が鉄を含み赤く見える。小脳歯状核から線維を受けて赤核脊髄路として脊髄へ投射するなど小脳と機能的に連絡するが、解剖学的所在は中脳である。
✓ 4. 正しい
歯状核
小脳の内部構造は表層の小脳皮質(灰白質、3層構造)と深部の小脳髄質(白質)からなり、髄質内には4対の小脳核(歯状核・栓状核・球状核・室頂核)が埋まる。歯状核は最外側に位置する最大の小脳核で、鋸歯状の辺縁を持つ折り畳まれた灰白質として、新小脳(小脳半球)の主要出力核として機能する。小脳皮質のプルキンエ細胞からの抑制性入力を受け、上小脳脚を通じて対側の赤核・視床(VL核)へ軸索を送り、最終的に大脳運動野へ情報を伝達する。小脳-視床-皮質ループの要であり、巧緻運動の計画・実行に不可欠である。なお小脳皮質は分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層の3層構造をなす。
ポイント
  • 歯状核は小脳髄質内の最大の小脳核で、新小脳の主要出力を担い上小脳脚から対側赤核・視床へ投射する。
  • 覚え方のコツ: 「オリーブ=延髄」「黒質・赤核=中脳」「歯状核=小脳」と「髄」「脳」「小脳」で3部に住所分けして暗記。
  • 関連知識: 小脳核は外側から歯状核・栓状核・球状核・室頂核の4対。室頂核は虫部(古小脳・原小脳)、歯状核は小脳半球(新小脳)の出力核として機能的に区別される。
  • よくある間違い: 「赤核が小脳から入力を受ける」ため赤核を小脳構造と誤認しないこと。機能的連絡は密だが解剖学的には中脳被蓋。
  • 臨床応用: 小脳歯状核・上小脳脚の障害で、対側の企図振戦・測定異常・反復拮抗運動不能、同側の小脳性運動失調(失調歩行・酩酊様歩行)が出現する(小脳症状は同側性)。
比較表
小脳の構造 内容
小脳皮質(3層) 分子層/プルキンエ細胞層/顆粒層
小脳髄質(白質) 小脳脚への出入力線維
小脳核(4対) 歯状核・栓状核・球状核・室頂核
区分 左右の小脳半球+正中の虫部
小脳脚 上小脳脚(中脳)・中小脳脚(橋)・下小脳脚(延髄)
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題27|小脳にみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題27|小脳にみられるのはどれか。
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