
この図の解説
図は小脳を切断し、深部の白質(小脳髄質)の中に埋もれる小脳核を露出させたものである。上段は小脳を部分切除して第4脳室の境界を示した図、下段は結合腕(上小脳脚)の平面で切った断面で、4種類の小脳核が一度に確認できる。断面を内側(正中の虫部側)から外側(小脳半球側)へたどると、室頂核・球状核・栓状核・歯状核の順に並ぶ。最も外側にあって最も大きいのが歯状核で、ギザギザした袋状(歯状核嚢)に見えるのが目印になる。小脳の表層は小脳皮質(分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層の3層からなる灰白質)で覆われ、そこでつくられた出力はいったんこれらの小脳核に集められてから、小脳脚を通って外へ送り出される。国家試験では「歯状核=小脳核の代表」を確実に押さえておきたい。
学習の要点
- 小脳核は小脳髄質(白質)の中にある灰白質のかたまりで、内側から外側へ室頂核・球状核・栓状核・歯状核の4種類がある。
- 覚え方のコツ: 内→外の並びを「室・球・栓・歯(しつ・きゅう・せん・し)」で暗記。室頂核が最も内側(虫部寄り)、歯状核が最も外側(半球寄り)で最大。
- 関連知識: 小脳皮質は分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層の3層構造で、その出力が小脳核へ集まる。図の発生的分類では、室頂核は虫部と、中位核(球状核・栓状核)は虫部傍部と、歯状核は半球外側部と結合する。
- よくある間違い: 「小脳核」を細胞の中心にある「核」と混同しないこと。また歯状核を大脳基底核(尾状核・被殻・淡蒼球など)と取り違えやすいが、歯状核は小脳核である。
- 臨床応用: 歯状核をはじめとする小脳系が障害されると、運動の方向・速度・範囲を的確に調節できなくなり、小脳性運動失調(酔っぱらいのような失調歩行)が生じる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
4種類の小脳核のうち、最も外側に位置し最も大きく、発生的に最も新しいのは( )核である。
答えを見る
答え: 歯状
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。