学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ L. 上肢の局所解剖・脈管・神経 / Q0971

理由で解く 解剖学

Q0971 運動器系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題26
問題
上肢の動脈と走行部位との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 肩甲回旋動脈 ─── 外側腋窩隙
2 上腕動脈 ───── 外側二頭筋溝
3 橈骨動脈 ───── 手根管
4 尺骨動脈 ───── ギヨン管
解答
正解4(尺骨動脈 ───── ギヨン管)
解説
✗ 1. 誤り
肩甲回旋動脈 ─── 外側腋窩隙
肩甲回旋動脈は内側腋窩隙を通る。外側腋窩隙を通過するのは腋窩神経と後上腕回旋動脈であり、内側外側を取り違えないこと。
✗ 2. 誤り
上腕動脈 ───── 外側二頭筋溝
上腕動脈は上腕二頭筋の内側縁(内側二頭筋溝)を正中神経と伴行しながら下行する。外側二頭筋溝には橈側皮静脈が走る。
✗ 3. 誤り
橈骨動脈 ───── 手根管
手根管を通るのは正中神経と9本の屈筋腱のみで、動脈は含まれない。橈骨動脈は橈骨茎状突起の上を浅く通過して手関節へ入る。
✓ 4. 正しい
尺骨動脈 ───── ギヨン管
尺骨動脈は前腕では尺側手根屈筋の深層で尺骨神経と伴行し、手関節部では屈筋支帯の浅層にできる尺骨神経管(ギヨン管)を尺骨神経とともに通って手掌に入る。ギヨン管は豆状骨と有鉤骨鉤の間に形成されるトンネルで、手根管(屈筋支帯の深層)とは別層に位置する。手掌に入った尺骨動脈は主に浅掌動脈弓を形成し、橈骨動脈と吻合する。ギヨン管症候群では尺骨神経麻痺(鷲手)と手内の血行障害が併発しうる。
ポイント
  • 尺骨動脈は尺骨神経とともにギヨン管(尺骨神経管)を通って手掌に入る。
  • 覚え方のコツ: 「外側腋窩隙=神経(腋窩神経)」「内側腋窩隙=血管(肩甲回旋動脈)」と通過構造で区別。上腕動脈は内側、橈側皮静脈は外側。
  • 関連知識: 腋窩隙は大円筋・小円筋・上腕三頭筋長頭で囲まれ、長頭が内外を二分する。外側腋窩隙(四辺形間隙)は腋窩神経と後上腕回旋動脈の通り道。
  • よくある間違い: 肩甲回旋動脈を外側腋窩隙とする/上腕動脈を外側二頭筋溝とする/橈骨動脈を手根管とする。
  • 臨床応用: 外側腋窩隙での圧迫は腋窩神経障害(Quadrilateral space syndrome)を起こす。ギヨン管症候群は自転車ハンドル圧迫などで発症。
比較表
部位 通過構造
外側腋窩隙(四辺形間隙) 腋窩神経、後上腕回旋動脈
内側腋窩隙(三辺形間隙) 肩甲回旋動脈
内側二頭筋溝 上腕動脈、正中神経、尺側皮静脈
外側二頭筋溝 橈側皮静脈
手根管 正中神経、屈筋腱9本
ギヨン管 尺骨神経、尺骨動脈
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題26|上肢の動脈と走行部位との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題26|上肢の動脈と走行部位との組合せで正しいのはどれか。
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