学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ L. 上肢の局所解剖・脈管・神経 / Q0970

理由で解く 解剖学

Q0970 運動器系

出典:あマ指 第15回(2007) 問題27
問題
上肢の動脈について正しい記述はどれか。
選択肢
1 上腕動脈は正中神経と伴行する。
2 橈骨動脈は腋窩動脈から分岐する。
3 尺骨動脈は手根管を通る。
4 尺骨動脈は深掌動脈弓の主体をなす。
解答
正解1(上腕動脈は正中神経と伴行する。)
解説
✓ 1. 正しい
上腕動脈は正中神経と伴行する。
上腕動脈は腋窩動脈の続きとして上腕二頭筋の内側縁(内側二頭筋溝)を下行し、正中神経と並走する。上腕近位では正中神経は動脈の外側、中央で動脈の前方を交叉、遠位では動脈の内側へ移動する。肘窩では上腕二頭筋腱の内側で両者が並んで通過し、そのすぐ下で橈骨動脈と尺骨動脈に分岐する。この伴行関係は内側二頭筋溝で上腕動脈の拍動触知や血圧測定を行う際の解剖学的基盤であり、上腕骨骨折では両者が同時に損傷されやすい。
✗ 2. 誤り
橈骨動脈は腋窩動脈から分岐する。
橈骨動脈は腋窩動脈ではなく、肘窩で上腕動脈が二分することで生じる。腋窩動脈は胸筋・肩甲骨周囲の分枝を出したのち大胸筋下縁で上腕動脈に名前を変える。
✗ 3. 誤り
尺骨動脈は手根管を通る。
尺骨動脈は尺骨神経とともに屈筋支帯の浅層を通るギヨン管(尺骨神経管)を経て手掌に入る。手根管を通るのは正中神経と屈筋腱のみで動脈は通らない。
✗ 4. 誤り
尺骨動脈は深掌動脈弓の主体をなす。
尺骨動脈は主に浅掌動脈弓を形成する。深掌動脈弓の主体は橈骨動脈で、尺骨動脈は深枝でわずかに合流するに留まる。
ポイント
  • 上腕動脈と正中神経は内側二頭筋溝で並走し、肘窩を経て前腕に入る。
  • 覚え方のコツ: 上肢動脈の本流は「鎖骨下→腋窩→上腕→(肘窩で分岐)→橈骨・尺骨」。1本ずつ名前が変わる位置を骨指標で覚える。
  • 関連知識: 浅掌動脈弓=尺骨動脈主体/深掌動脈弓=橈骨動脈主体。ギヨン管=尺骨神経+尺骨動脈、手根管=正中神経のみ。
  • よくある間違い: 橈骨動脈を腋窩動脈の直接分枝と誤認/尺骨動脈が手根管を通ると取り違える。
  • 臨床応用: 内側二頭筋溝で上腕動脈拍動を触れ、血圧測定に用いる。上腕骨骨幹部骨折では上腕動脈と正中神経が同時損傷されやすい。
比較表
動脈名 走行部位 移行・分岐
鎖骨下動脈 斜角筋隙 第1肋骨外側で腋窩動脈へ
腋窩動脈 腋窩 大胸筋下縁で上腕動脈へ
上腕動脈 内側二頭筋溝(正中神経と伴行) 肘窩で橈骨・尺骨動脈に分岐
橈骨動脈 前腕外側 → 深掌動脈弓 茎状突起上で脈拍触知
尺骨動脈 前腕内側 → 浅掌動脈弓 ギヨン管を通過
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題27|上肢の動脈について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題27|上肢の動脈について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手