学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0596

理由で解く 解剖学

Q0596 神経系

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題25
問題
脳神経とその分布域との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 動眼神経 - 外側直筋
2 眼神経 - 網膜
3 鼓索神経 - 舌
4 迷走神経 - 耳下腺
解答
正解3(鼓索神経 - 舌)
解説
✗ 1. 誤り
動眼神経 - 外側直筋
動眼神経IIIは上・下・内側直筋、下斜筋、上眼瞼挙筋に分布するほか、毛様体神経節を経て副交感線維が瞳孔括約筋・毛様体筋に分布する。外側直筋は橋下縁から出る外転神経VIの支配であり、動眼神経は分布しない。組合せは誤り。
✗ 2. 誤り
眼神経 - 網膜
眼神経V1は上眼窩裂を通って眼窩内に入り、前頭部・上眼瞼・鼻背の皮膚や鼻腔前部粘膜の一般感覚を担当する。網膜(視細胞)からの視覚情報は視神経IIが伝えるため、V1と網膜の組合せは誤り。
✓ 3. 正しい
鼓索神経 - 舌
鼓索神経は顔面神経VIIが顔面神経管内で茎乳突孔直前で分岐する枝で、中耳(鼓室)を「鼓膜の索(弦)」のように横切って側頭下窩に出る。そこで舌神経(V3の枝)に合流し、舌前2/3の味覚線維(求心性)と顎下腺・舌下腺への副交感線維(遠心性)を舌に運び分布させる。したがって「鼓索神経―舌」は正しい組合せとなる。舌が支配目的地という点で選択肢のなかで唯一適切。
✗ 4. 誤り
迷走神経 - 耳下腺
耳下腺の副交感分泌支配は舌咽神経IX(下神経節→鼓室神経→小錐体神経→耳神経節→節後線維)が担う。迷走神経Xは胸腹部内臓の副交感支配が主で、耳下腺には分布しない。組合せは誤り。
ポイント
  • 鼓索神経はVII顔面神経の枝でありながら走行途中でV3下顎神経の枝(舌神経)に合流し、舌まで一緒に運ばれる「合流枝」の典型例。味覚+副交感の2役を1本の枝が担う。
  • 覚え方のコツ: 「鼓索=鼓膜を横切る索+舌へ行く」と走行+終着で覚える。耳下腺=IX、顎下腺・舌下腺=VII(鼓索)と3つの大唾液腺の支配神経を整理。
  • 関連知識: 鼓索神経は鼓室(中耳)内を通るため、中耳炎やアブミ骨手術で障害されると味覚障害(舌前2/3の味覚低下)や唾液分泌低下が生じる。鼓室の解剖と鼓索神経走行の理解は耳鼻科臨床で重要。
  • よくある間違い: 眼神経V1と視神経IIを「目に行く」で混同する誤り/迷走神経が耳下腺を支配すると思い込む誤り(耳下腺=IX)/動眼神経IIIに外側直筋支配を含めてしまう誤り(外側直筋=VI外転神経)。
  • 臨床応用: 側頭骨骨折や中耳手術後の味覚障害は鼓索神経損傷を疑う。舌前2/3の片側味覚脱失は顔面神経麻痺の局在診断(膝神経節より遠位での障害)にも用いられる。
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題25|脳神経とその分布域との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題25|脳神経とその分布域との組合せで正しいのはどれか。
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