学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0595

理由で解く 解剖学

Q0595 神経系

出典:あマ指 第17回(2009) 問題29
問題
脳神経について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 滑車神経は上斜筋を支配する。
2 三叉神経は歯の痛覚に関与する。
3 顔面神経は涙腺の分泌に関与する。
4 舌咽神経は舌筋を支配する。
解答
正解4(舌咽神経は舌筋を支配する。)
解説
✗ 1.
滑車神経は上斜筋を支配する。
✗ 正しい。 滑車神経IVは中脳下部(下丘レベル)から発生し、脳の背側から出る唯一の脳神経として反対側に回り込んで上眼窩裂を通り、上斜筋のみを支配する純運動性の脳神経である。12対の脳神経中で最も細い。本記述は正しい。
✗ 2.
三叉神経は歯の痛覚に関与する。
✗ 正しい。 三叉神経Vの3枝(V1・V2・V3)は上顎歯・下顎歯を含む口腔粘膜・歯根膜の一般感覚を担う。上顎歯の感覚はV2上顎神経(上歯槽神経)、下顎歯の感覚はV3下顎神経(下歯槽神経)が伝える。歯の痛覚に関与するため本記述は正しい。
✗ 3.
顔面神経は涙腺の分泌に関与する。
✗ 正しい。 顔面神経VIIは顔面神経管内で大錐体神経を分岐し、その副交感線維が翼口蓋神経節でニューロン交代したのち涙腺に至って涙液分泌を支配する。したがって涙腺分泌への関与は顔面神経の機能であり、本記述は正しい。
✓ 4. 誤り
舌咽神経は舌筋を支配する。
舌咽神経IXは咽頭筋の嚥下運動の一部と茎突咽頭筋の運動を支配するが、舌筋(内舌筋・外舌筋)そのものの運動には関与しない。舌筋の運動支配はすべて舌下神経XIIが担う(口蓋舌筋のみ迷走神経)。したがって「舌咽神経は舌筋を支配する」は誤りであり、これが正解の選択肢となる。舌咽神経は舌後1/3の一般感覚と味覚、耳下腺への副交感分泌を主な機能とする。
ポイント
  • 舌咽神経IXの「舌」は舌後1/3の感覚(一般感覚・味覚)のことであり、舌の「運動」は舌下神経XIIの仕事。IXは運動としては茎突咽頭筋だけを支配する。
  • 覚え方のコツ: 「舌下神経(XII)=舌を下で動かす」と番号と名前を運動に結びつけ、「舌咽神経(IX)=舌の奥と咽頭の感覚」と感覚担当に結びつける。名前に「舌」があっても役割は別物。
  • 関連知識: 舌咽神経は頸動脈小体(化学受容器)と頸動脈洞(圧受容器)にも感覚線維を送り、血液ガス濃度・血圧の調節反射(呼吸反射・圧反射)に関与する。嚥下反射の求心路も舌咽神経が担当する。
  • よくある間違い: 名前に「舌」が付くIX・XIIをどちらも舌運動と誤解する誤り/V三叉神経を「顔面の筋」と誤認する誤り(顔面の筋=VII)/VII顔面神経を「顔の感覚」と誤認する誤り(顔の感覚=V)。
  • 臨床応用: 舌咽神経痛では咽頭深部から耳へ放散する鋭い痛みが嚥下や咳で誘発される。舌下神経麻痺では舌萎縮と偏位が生じる。両者を臨床症状から鑑別するには「飲み込みの感覚/痛み」か「舌の動き/萎縮」かに注目する。
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題29|脳神経について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題29|脳神経について誤っている記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手