学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0594

理由で解く 解剖学

Q0594 神経系

出典:あマ指 第17回(2009) 問題28
問題
運動線維を含まない脳神経はどれか。
選択肢
1 上顎神経
2 下顎神経
3 舌咽神経
4 迷走神経
解答
正解1(上顎神経)
解説
✓ 1. 正しい
上顎神経
上顎神経V2は三叉神経第2枝で、正円孔を通って翼口蓋窩に出たのち頬・上顎歯・上唇・鼻粘膜・口蓋粘膜などの一般感覚のみを担当する純感覚性の神経である。運動線維は含まない。三叉神経の運動線維はすべて下顎神経V3に集約される。したがって本選択肢が正解となる。
✗ 2. 誤り
下顎神経
下顎神経V3は卵円孔を通って側頭下窩に出て、咬筋・側頭筋・内外側翼突筋の咀嚼筋群および顎舌骨筋・顎二腹筋前腹・口蓋帆張筋・鼓膜張筋を支配する運動線維を含む混合神経である。運動線維を含まない神経ではない。
✗ 3. 誤り
舌咽神経
舌咽神経IXは茎突咽頭筋の運動を支配する運動線維を含む混合神経で、感覚(舌後1/3の一般感覚・味覚、咽頭粘膜)と副交感(耳下腺分泌)も併せ持つ。咽頭筋の嚥下運動の一部にも関与し、運動線維のない神経ではない。
✗ 4. 誤り
迷走神経
迷走神経Xは咽頭筋(咽頭神経叢)・喉頭筋(反回神経)・軟口蓋筋の運動支配と、胸腹部内臓の副交感支配を行う混合神経である。運動線維(咽頭・喉頭運動)を豊富に含むため、運動のない神経ではない。
ポイント
  • 純感覚性の脳神経(および枝)は I 嗅・II 視・VIII 内耳の3本+V1眼神経・V2上顎神経。V3下顎神経のみが運動線維を含む混合枝である。
  • 覚え方のコツ: 「V1=上眼窩裂=感覚のみ、V2=正円孔=感覚のみ、V3=卵円孔=感覚+運動」と通過孔とセットで記憶する。
  • 関連知識: V2は正円孔を出たあと翼口蓋窩に至り、そこで翼口蓋神経節(実体は顔面神経由来の副交感神経節)と解剖学的に隣接する。V2本幹は節を素通りするが、節後線維がV2の枝に乗って涙腺・鼻粘膜まで運ばれる。このため実質的にV2の走行路は副交感線維の通路にもなっている。
  • よくある間違い: V1眼神経を「運動性と感覚性の両方」と誤解する誤り(純感覚性)/V3下顎神経と混同してV2に運動線維があると誤解する誤り/舌咽神経IXに運動線維なしと誤解する誤り(茎突咽頭筋の運動を担う)。
  • 臨床応用: 三叉神経痛のうちV2領域痛は上顎歯痛・顔面痛として、V3領域痛は下顎歯痛・下顔面痛として現れる。V2・V3はいずれも顔面感覚領域なので、咀嚼障害の有無でV3枝かどうかを鑑別できる。
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題28|運動線維を含まない脳神経はどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題28|運動線維を含まない脳神経はどれか。
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