学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0199

理由で解く 解剖学

Q0199 循環器系

出典:あマ指 第17回(2009) 問題27
問題
リンパ系に属さないのはどれか。
選択肢
1 胸 管
2 胸 腺
3 甲状腺
4 脾 臓
解答
正解3(甲状腺)
解説
✗ 1.
胸 管
✗ 正しい。 胸管は人体最大のリンパ本幹で、下肢・骨盤・腹部および左上半身のリンパを集め、左静脈角(左内頸静脈と左鎖骨下静脈の合流部)に注ぐ。まさにリンパ系の主要導管であり、リンパ系に属する。
✗ 2.
胸 腺
✗ 正しい。 胸腺は上縦隔〜前縦隔に位置する中枢リンパ性器官で、T細胞(Tリンパ球)の分化・成熟の場である。リンパ系(造血免疫系)に属するが、同時にチモシンなどのホルモンを分泌する内分泌性格も併せもつ。
✓ 3. 誤り
甲状腺
甲状腺は頸部の甲状軟骨下面〜気管上部の前面に位置する純粋な内分泌腺で、濾胞上皮細胞が甲状腺ホルモン(T3・T4)を、傍濾胞細胞(C細胞)がカルシトニンを血中に放出する。リンパ球の分化・成熟やリンパ液輸送には関与せず、リンパ系には属さない。選択肢の中でリンパ器官(胸腺・脾臓)やリンパ導管(胸管)と一線を画すのは甲状腺である。なお甲状腺腫瘍の頸部リンパ節転移は臨床上重要だが、これは被転移の臓器であって甲状腺がリンパ系に属することを意味しない。
✗ 4.
脾 臓
✗ 正しい。 脾臓は左上腹部にある最大のリンパ性器官で、白脾髄ではB細胞・T細胞を含むリンパ組織が、赤脾髄では古くなった赤血球の破壊や血液の貯蔵・免疫応答が行われる。末梢リンパ器官としてリンパ系に属する。
ポイント
  • 甲状腺は内分泌器官であり、リンパ系(胸管・胸腺・脾臓・リンパ節など)には属さない。
  • 覚え方のコツ: リンパ器官を「管:胸管、中枢:胸腺・骨髄、末梢:脾臓・リンパ節・扁桃・パイエル板」と分類整理。甲状腺はこの系統に入らない。
  • 関連知識: 胸腺は中枢リンパ性器官(T細胞分化)、脾臓は最大の末梢リンパ性器官(B細胞・T細胞応答、血液濾過)。両者を押さえる。
  • よくある間違い: 頸部で甲状腺の近傍に頸部リンパ節が多いため、甲状腺をリンパ器官と混同する。甲状腺は被転移臓器の意味で関係するが、自身はリンパ系ではない。
  • 臨床応用: 甲状腺乳頭癌は早期から頸部リンパ節転移をきたしやすいが、腫瘍の生物学的悪性度は低く予後良好。脾摘後は莢膜菌感染症(肺炎球菌・髄膜炎菌)リスクが増加するためワクチン接種が必要。
比較表
器官 系統 機能
胸管 リンパ(導管) 下半身・左上半身のリンパを左静脈角へ運ぶ
胸腺 リンパ(中枢)+内分泌 T細胞の分化・成熟、チモシン分泌
脾臓 リンパ(末梢) 血液濾過、古赤血球破壊、免疫応答
甲状腺 内分泌 T3・T4・カルシトニン分泌
解説画像
あマ指 第17回(2009) 問題27|リンパ系に属さないのはどれか。 解説図
あマ指 第17回(2009) 問題27|リンパ系に属さないのはどれか。
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