学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0593

理由で解く 解剖学

Q0593 神経系

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題29
問題
橋に存在する核はどれか。
選択肢
1 動眼神経核
2 滑車神経核
3 外転神経核
4 舌下神経核
解答
正解3(外転神経核)
解説
✗ 1. 誤り
動眼神経核
動眼神経核は中脳上部(上丘レベル)の被蓋に存在し、運動核のほか副交感の副核(Edinger-Westphal核)を含む。上丘の高さで左右の動眼神経核が正中近くに並び、線維は腹側の大脳脚の間から出て眼窩に向かう。橋ではない。
✗ 2. 誤り
滑車神経核
滑車神経核は中脳下部(下丘レベル)の被蓋にあり、動眼神経核のすぐ下方に位置する。橋ではない。滑車神経は唯一脳の背側から出て中脳から下行するため、核と出口の位置関係は覚えづらい点である。
✓ 3. 正しい
外転神経核
外転神経核は橋下部に存在し、第四脳室底の顔面神経丘(内膝)の下に位置する。顔面神経の運動線維が外転神経核の周囲を回り込むように走行することで顔面神経丘の隆起を形成する。外転神経自身は橋下縁から出て、斜台の硬膜を貫き上眼窩裂から眼窩に入って外側直筋を支配する。三叉神経の運動核・主感覚核、顔面神経核とともに橋に属する運動神経核の一つである。
✗ 4. 誤り
舌下神経核
舌下神経核は延髄の第四脳室底(正中に近い部位)にあり、舌下神経三角の深層に位置する。橋ではない。延髄の運動核には舌下神経核・疑核(IX・X・XIの脳根の運動線維)などが含まれる。
ポイント
  • 脳神経核は中脳にIII・IV、橋にV(三叉運動・主感覚)・VI・VII・VIII(一部)、延髄にIX・X・XI脳根・XII、上位頸髄にXI脊髄根という順で頭側から尾側へ配列する。VIIIの蝸牛神経核・前庭神経核は橋延髄境界に位置する。
  • 覚え方のコツ: 「中脳=3・4、橋=5・6・7・8、延髄=9・10・11・12」と3・4→5・6・7・8→9・10・11・12の連番でブロック分けして覚える。顔面神経丘の内側に外転神経核、外側を回る線維が顔面神経核へ向かう位置関係を立体的にイメージする。
  • 関連知識: 橋の顔面神経丘は第四脳室菱形窩にある隆起で、内部に外転神経核、表層を顔面神経の内膝(運動線維が外転神経核を回り込む部位)が走る。この部位の損傷では外転神経麻痺+同側顔面神経麻痺が合併する(橋下部被蓋症候群)。
  • よくある間違い: 滑車神経の出る場所(中脳背側)と核の位置(中脳下部)を混同する誤り/顔面神経核と外転神経核の位置関係を逆にする誤り(外転神経核が内側、顔面神経核が腹外側)/舌下神経核を橋にあると誤解する誤り。
  • 臨床応用: Millard-Gubler症候群(橋下部腹側症候群)では外転神経麻痺・顔面神経麻痺(同側)と対側の片麻痺(錐体路障害)が三徴として現れる。核の局在知識が脳幹梗塞の局在診断に直結する。
比較表
部位 運動核(脳神経)
中脳 III 動眼神経核(+Edinger-Westphal核)・IV 滑車神経核
V 三叉神経運動核・VI 外転神経核・VII 顔面神経核
延髄 IX・X 疑核・X 迷走神経背側核・XI 脳根・XII 舌下神経核
上位頸髄 XI 副神経脊髄根
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題29|橋に存在する核はどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題29|橋に存在する核はどれか。
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