学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0592

理由で解く 解剖学

Q0592 神経系

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題27
問題
神経と神経節との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 上顎神経 ― 翼口蓋神経節
2 動眼神経 ― 毛様体神経節
3 顔面神経 ― 膝神経節
4 内耳神経 ― 耳神経節
解答
正解4(内耳神経 ― 耳神経節)
解説
✗ 1.
上顎神経 ― 翼口蓋神経節
✗ 正しい。 翼口蓋神経節は顔面神経VII由来の大錐体神経の副交感線維がニューロンを交代する副交感神経節で、上顎神経V2と位置的に近接し翼口蓋窩に存在する。節後線維は涙腺・鼻粘膜・口蓋粘膜の腺に分布する。V2の通り道を借りて走行するため「上顎神経―翼口蓋神経節」の組合せは解剖学的関連として正しい記載である。
✗ 2.
動眼神経 ― 毛様体神経節
✗ 正しい。 毛様体神経節は動眼神経III由来の副交感線維がニューロンを交代する副交感神経節で、眼窩内の視神経外側に存在する。節後線維(短毛様体神経)が瞳孔括約筋(縮瞳)と毛様体筋(水晶体の厚み調節)に分布する。組合せは正しい。
✗ 3.
顔面神経 ― 膝神経節
✗ 正しい。 膝神経節は顔面神経VIIが顔面神経管内で「膝」状に曲がる部位にある感覚性神経節で、味覚一次ニューロン(鼓索神経を経て舌前2/3の味蕾から受けた味覚線維)の細胞体が集まる。副交感神経節ではなく感覚神経節である点に注意するが、組合せは正しい。
✓ 4. 誤り
内耳神経 ― 耳神経節
耳神経節は舌咽神経IX由来の副交感線維がニューロンを交代する神経節で、下顎神経V3の近傍(卵円孔下方の側頭下窩)に存在する。節後線維が耳下腺に分布し、その分泌を支配する。内耳神経VIIIは聴覚と平衡覚を伝える純感覚性の脳神経で、副交感線維を持たず対応する副交感神経節も持たない。したがって「内耳神経―耳神経節」の組合せは誤りであり、これが正解の選択肢となる。内耳神経の神経節は感覚性のラセン神経節(蝸牛神経)と前庭神経節(前庭神経)である。
ポイント
  • 頭部の副交感神経節は4つ:毛様体神経節(III動眼)・翼口蓋神経節(VII顔面/大錐体神経)・顎下神経節(VII顔面/鼓索神経)・耳神経節(IX舌咽)。内耳神経VIIIは純感覚性のため副交感神経節を持たない。
  • 覚え方のコツ: 「毛・翼・顎・耳(もう・よく・がく・じ)」と4つの頭部副交感神経節を順に覚え、「III=毛、VII=翼・顎の2つ、IX=耳」と神経番号に対応付ける。涙・鼻水は翼口蓋、よだれ2腺(顎下・舌下)は顎下、涎(耳下腺)は耳神経節。
  • 関連知識: 神経節には副交感神経節のほか、感覚性神経節(知覚ニューロンの細胞体の集合)もある。脳神経の感覚性神経節には、三叉神経節(半月神経節)、顔面神経の膝神経節、内耳神経のラセン神経節・前庭神経節、舌咽神経の上・下神経節、迷走神経の上・下神経節がある。
  • よくある間違い: 耳神経節を「内耳(蝸牛)に関係する」と名前で早合点する誤り(実際は中耳の内側、IXの副交感)/膝神経節を副交感神経節と誤解する誤り(味覚一次ニューロンの感覚性神経節)/翼口蓋神経節を上顎神経の純粋な枝と誤解する誤り(実体はVII由来で、V2の走行路を借りているだけ)。
  • 臨床応用: Sjögren症候群など自己免疫性の外分泌腺障害では、涙腺(翼口蓋神経節経由)・唾液腺(顎下/耳神経節経由)の分泌が同時に低下し乾燥症状を呈する。副交感神経節の位置と支配腺の対応を理解すると、ドライアイ・口腔乾燥の神経解剖学的基盤が整理できる。
比較表
副交感神経節 由来脳神経 節前線維の経路 節後線維の標的
毛様体神経節 III 動眼神経 動眼神経下枝 瞳孔括約筋・毛様体筋
翼口蓋神経節 VII 顔面神経 大錐体神経 涙腺・鼻粘膜・口蓋粘膜の腺
顎下神経節 VII 顔面神経 鼓索神経→舌神経 顎下腺・舌下腺
耳神経節 IX 舌咽神経 小錐体神経 耳下腺
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題27|神経と神経節との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題27|神経と神経節との組合せで誤っているのはどれか。
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