学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0559

理由で解く 解剖学

Q0559 神経系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題30
問題
感覚伝導路において大脳皮質に達するまでに中継されるのはどれか。
選択肢
1 赤 核
2 視 床
3 視床下部
4 被 殻
解答
正解2(視 床)
解説
✗ 1. 誤り
赤 核
赤核は中脳被蓋にある錐体外路系の中継核で、小脳歯状核からの入力を受け赤核脊髄路として脊髄へ投射する。運動調節に関与する核であり、感覚伝導路の中継核ではない。
✓ 2. 正しい
視 床
視床は間脳にある卵円形の灰白質で、脳に入るほぼすべての感覚情報(嗅覚を除く)がいったんここに集められ、新たなニューロンに乗り換えて大脳皮質の対応する感覚野へ送られる「感覚の玄関」としての役割を担う。体性感覚は後外側腹側核(VPL)、顔の体性感覚・味覚は後内側腹側核(VPM)、視覚は外側膝状体、聴覚は内側膝状体、小脳からの情報や大脳基底核からの情報は腹外側核(VL)・腹前核(VA)で中継される。これにより大脳皮質は整理された感覚情報を受け取ることができ、知覚の統合と運動への反映が可能となる。唯一の例外は嗅覚で、嗅球から梨状葉へ直接投射し視床を経由しない。
✗ 3. 誤り
視床下部
視床下部は自律神経系の最高中枢として内臓機能・体温・摂食・内分泌・情動を統合する間脳の一部で、大脳皮質への感覚中継は行わない。視床下部への情報は大脳辺縁系・脳幹・脊髄からであり、感覚伝導路の中継核ではない。
✗ 4. 誤り
被 殻
被殻は大脳基底核の一部(レンズ核の外側部)で、尾状核・淡蒼球とともに錐体外路系の運動調節に関与する灰白質である。感覚伝導路の中継核ではなく、運動制御系の構造である。
ポイント
  • 視床は嗅覚以外のすべての感覚情報を大脳皮質へ中継する間脳の卵円形灰白質である。
  • 覚え方のコツ: 「視床=感覚の中央駅」。体性感覚→VPL、顔・味覚→VPM、視覚→外側膝状体、聴覚→内側膝状体と路線図化して記憶。
  • 関連知識: 視床には感覚中継核だけでなく運動関連核(VL=小脳出力の中継、VA=基底核出力の中継)、辺縁系関連核(前核群=乳頭体→帯状回)も含まれる。非特殊核群は大脳皮質全般に投射し意識や覚醒に関与。
  • よくある間違い: 「視床下部も感覚を中継する」と誤解する/「被殻は感覚中継」と運動系と混同。感覚中継=視床、運動中継=視床+基底核+小脳の区別を明確に。
  • 臨床応用: 視床(特にVPL・VPM)出血では対側半身の感覚障害(全感覚の鈍麻)と視床痛(焼けるような激しい痛み)を生じる。視床梗塞で意識障害・記憶障害(前核群・内側核)を起こすこともある。
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題30|感覚伝導路において大脳皮質に達するまでに中継されるのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題30|感覚伝導路において大脳皮質に達するまでに中継されるのはどれか。
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