学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ B. 脊髄 / Q0498

理由で解く 解剖学

Q0498 神経系

出典:あマ指 第20回(2012) 問題29
問題
脊髄について正しい記述はどれか。
選択肢
1 灰白質には神経線維束が多い。
2 後角には運動神経細胞が集まっている。
3 脊髄円錐は仙骨の高さにある。
4 自律神経線維は前根を通る。
解答
正解4(自律神経線維は前根を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
灰白質には神経線維束が多い。
灰白質には神経細胞体が集まり、神経線維束(=白質)は少ない。神経線維束が多いのは灰白質の周囲を取り囲む白質である。記述は事実と逆で誤りのため、本問の答えではない。
✗ 2. 誤り
後角には運動神経細胞が集まっている。
後角には後根から入る感覚神経線維を受ける感覚神経細胞が集まり、運動神経細胞は前角に存在する。記述は前角と後角を取り違えた誤りのため、本問の答えではない。
✗ 3. 誤り
脊髄円錐は仙骨の高さにある。
成人の脊髄円錐は第1~2腰椎の高さで終わり、仙骨の高さには存在しない。以降は馬尾として脊髄神経の根が下降する。仙骨の高さと記述するのは誤りのため、本問の答えではない。胎児期には脊髄が脊柱全長に及ぶが、成長とともに脊柱の方が長く伸びるため脊髄円錐の位置が相対的に上方へシフトする。
✓ 4. 正しい
自律神経線維は前根を通る。
脊髄側角(胸髄Th1~L2・仙髄S2~S4)の自律神経節前ニューロンから出る軸索は、骨格筋を支配する前角運動ニューロンの軸索とともに前根を通って脊髄の外へ出る。前根から出た交感神経節前線維は白交通枝を介して交感神経幹に入り、そこでシナプスを形成するかさらに上下に走ってから節後線維となる。したがって「自律神経線維は前根を通る」という記述は正しく、本問の答えとなる。ベル-マジャンディーの法則は「前根=遠心性(運動・自律)、後根=求心性(感覚)」。
ポイント
  • 前根は遠心性(運動+自律)、後根は求心性(感覚)を通す。自律神経の節前線維は前根から白交通枝を経て交感神経幹へ。
  • 覚え方のコツ: ベル-マジャンディーの法則「前=モーター(運動+自律)、後=センサー(感覚)」。自律神経は前根側と覚える。
  • 関連知識: 交感神経節前線維は脊髄側角Th1-L2から起こり、前根→白交通枝→交感神経幹へ。副交感神経節前線維は仙髄S2-S4から骨盤内臓神経として出る。
  • よくある間違い: 自律神経を後根と誤認/前角と後角の機能を反転/脊髄円錐を仙骨の高さと誤る/灰白質に線維束が多いと錯誤。
  • 臨床応用: 馬尾症候群(L2以下での脊髄神経根圧迫)では両下肢の弛緩性麻痺、鞍状感覚障害、膀胱直腸障害が生じ、腰椎椎間板ヘルニアや腫瘍が原因となる。早期減圧が機能予後を左右する。
比較表
項目 前根 後根
方向 遠心性 求心性
運動線維 α・γ運動ニューロン軸索 なし
自律線維 節前線維(交感・仙髄副交感) なし
感覚線維 なし 皮膚・深部・内臓感覚
神経節 なし 脊髄神経節
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題29|脊髄について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題29|脊髄について正しい記述はどれか。
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