
この図の解説
皮下を走る皮静脈は動脈に伴行せず、独自の走行をとる。図は下肢の代表的な2本の皮静脈を示す。まず足の位置に注目してほしい。足背と足底の静脈網を出発点として、内側縁から立ち上がるのが大伏在静脈、外側縁から立ち上がるのが小伏在静脈である。大伏在静脈は左の下肢内側面をたどると、内果の前を通り、下腿から大腿の内側を長く上行し、鼠径部の伏在裂孔で深部の大腿静脈へ注ぎ込む(図中央)。一方、右下の後面像では、小伏在静脈が外果の後ろを回り、下腿の後側正中を上行して、膝の裏(膝窩)で切開された部分の膝窩静脈に合流するのが見てとれる。「内側は前・大腿静脈へ」「外側は後ろ・膝窩静脈へ」という左右対の対比が、この図の要である。
学習の要点
- 大伏在静脈は足背静脈網の内側から起こり、内果の前を通って下腿・大腿の内側を上行し、伏在裂孔で大腿静脈に注ぐ。人体で最も長い静脈である。
- 小伏在静脈は足背静脈網の外側から起こり、外果の後ろを通って下腿後面を上行し、膝窩で膝窩静脈に注ぐ。
- 覚え方のコツ: 「大は内果の前、小は外果の後ろ」。大伏在静脈は内側で内果の前、小伏在静脈は外側で外果の後ろ、と内外・前後をセットで覚える。合流先も大=大腿静脈、小=膝窩静脈とサイズ順で対応させる。
- 関連知識: 皮静脈は動脈に伴行しない。深部の骨格筋が収縮すると静脈を圧して血液を送り返す筋ポンプが働き、静脈弁とともに還流を助ける。
- よくある間違い: 大伏在静脈が内果の「後ろ」、小伏在静脈が外果の「前」とする取り違えが多い。実際は逆で、大=内果の前、小=外果の後ろ。
- 臨床応用: 大伏在静脈は表在で長く走るため、下肢静脈瘤の好発部位であり、点滴や採血の穿刺、バイパス手術の移植血管としても用いられる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
大伏在静脈は( )の前を通って下腿・大腿の内側を上行する。( )に入る語を答えよ。
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答え: 内果
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。