学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ B. 脊髄 / Q0497

理由で解く 解剖学

Q0497 神経系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題33
問題
成人の脊髄で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 下端は第1~2 腰椎の高さで終わる。
2 中心部は灰白質からなる。
3 前角には運動神経細胞がある。
4 後角には自律神経細胞がある。
解答
正解4(後角には自律神経細胞がある。)
解説
✗ 1.
下端は第1~2 腰椎の高さで終わる。
✗ 正しい。 成人の脊髄は胎生期に脊柱より早く成長が止まるため、脊柱管より短く下端は第1~2腰椎の高さで脊髄円錐として終わる。この記述は正しく、本問の答えではない。以降は馬尾として脊髄神経の根が下降する。
✗ 2.
中心部は灰白質からなる。
✗ 正しい。 脊髄の横断面ではH字形の灰白質が中央部に位置し、その周囲を白質(上下方向の神経線維束)が取り巻く。大脳や小脳と内外が逆である点を押さえる。中央部は灰白質という記述は正しく、本問の答えではない。
✗ 3.
前角には運動神経細胞がある。
✗ 正しい。 前角(H字形の腹側突出部)には骨格筋を支配する大型の運動神経細胞(αおよびγ運動ニューロン)が集まり、その軸索は前根を通って脊髄神経に加わる。この記述は正しく、本問の答えではない。
✓ 4. 誤り
後角には自律神経細胞がある。
後角には後根から入ってくる感覚性の神経線維を受ける感覚神経細胞が集まっており、自律神経細胞は存在しない。自律神経細胞(節前ニューロン)の細胞体はH字形の中間側方に突出する側角(胸髄Th1~腰髄上部L2の交感神経、仙髄S2~S4の副交感神経)に位置する。したがって「後角には自律神経細胞がある」という記述は事実と異なり、本問「誤っているのはどれか」の答えとなる。後角=感覚、前角=運動、側角=自律、と3つを区別して記憶する。
ポイント
  • 脊髄H字形灰白質は前角=運動、後角=感覚、側角=自律(Th1-L2交感/S2-S4副交感)と3機能で分担される。
  • 覚え方のコツ: 「前=運動・後=感覚・側=自律」の3すくみで記憶。側角がある範囲は胸髄と腰髄上部+仙髄の一部に限定される。
  • 関連知識: 前根は前角細胞の軸索+側角自律神経を含み「運動・自律」を運び、後根は感覚で神経節を持つ。ベル-マジャンディーの法則。
  • よくある間違い: 後角を自律の座と誤認/前角を感覚と逆転させる/側角が全脊髄にあると思い込む(頸髄下部~仙髄以外には限定的)。
  • 臨床応用: 小児麻痺(急性灰白髄炎)は前角運動細胞を選択的に侵し弛緩性麻痺を生じる。前索・側索硬化ではALSとして錐体路+前角が障害され、舌萎縮・呼吸筋麻痺に至る。
比較表
部位 含まれる細胞 機能 軸索の出方
前角 α・γ運動ニューロン 骨格筋支配 前根
後角 感覚ニューロン 痛覚・温度覚の中継 後索・側索へ
側角(Th1-L2) 交感神経節前ニューロン 内臓運動・腺分泌 前根→白交通枝
側角(S2-S4) 副交感神経節前ニューロン 骨盤内臓支配 骨盤神経
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題33|成人の脊髄で誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題33|成人の脊髄で誤っている記述はどれか。
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