学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0149

理由で解く 解剖学

Q0149 循環器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題32
問題
下腿と大腿の内側部から血液を集め、大腿静脈に注ぐのはどれか。
選択肢
1 外腸骨静脈
2 膝窩静脈
3 大伏在静脈
4 小伏在静脈
解答
正解3(大伏在静脈)
解説
✗ 1. 誤り
外腸骨静脈
外腸骨静脈は鼠径靱帯の下で大腿静脈が上行して名を変えたもので、下肢全体からの血液を受けて骨盤内を走り、内腸骨静脈と合流し総腸骨静脈となる。下肢内側の皮下を走る表在静脈ではなく深部静脈の本幹である。
✗ 2. 誤り
膝窩静脈
膝窩静脈は膝窩部の深部を走る深静脈で、下腿の前脛骨静脈・後脛骨静脈が合流してできる。大腿内側部の血液を集める表在静脈ではなく、大腿三角で大腿静脈へと名を変える深部の本幹である。小伏在静脈が注ぎ込む先ではあるが、大腿内側全体を集めて大腿静脈に合流する経路は担わない。
✓ 3. 正しい
大伏在静脈
大伏在静脈は足背静脈網の内側端から始まり、内果の前を通って下腿内側を上行、膝関節内側を経て大腿内側の皮下を上行し、鼠径部の伏在裂孔を貫いて大腿静脈に注ぐ、人体最長の皮静脈である。下腿・大腿の内側皮膚と皮下組織から血液を広く集めており、伏在神経と伴行する。冠動脈バイパス術のグラフト素材や下肢静脈瘤治療の対象として臨床的にも頻用される。
✗ 4. 誤り
小伏在静脈
小伏在静脈は足背静脈網の外側端から起こり、外果の後方を通って下腿後面の皮下を上行する。膝窩部で深筋膜を貫き膝窩静脈に注ぎ込むため、走行領域は下腿後面~外側であり、大腿内側ではない。また合流先も大腿静脈ではなく膝窩静脈で、問題の条件とは一致しない。
ポイント
  • 下肢の皮静脈は「大伏在=内側を上行→大腿静脈に注ぐ」「小伏在=下腿後面を上行→膝窩静脈に注ぐ」の2本。
  • 覚え方のコツ: 「だい(大)は長くてうち(内)がわ」「しょう(小)は短くてうしろ(後面)」と対比。
  • 関連知識: 大伏在静脈は内果前を通るため、救急時の静脈路確保(サペナスカットダウン)にも利用可能。
  • よくある間違い: 小伏在静脈を大腿内側と混同する/大伏在静脈の終点を膝窩静脈と誤る。
  • 臨床応用: 大伏在静脈は冠動脈バイパス術・末梢血管再建のグラフト、下肢静脈瘤のストリッピング術対象として用いられる。
比較表
皮静脈 起始 走行 終点
大伏在静脈 足背静脈網内側 内果前→下腿・大腿内側 大腿静脈(伏在裂孔)
小伏在静脈 足背静脈網外側 外果後→下腿後面 膝窩静脈
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題32|下腿と大腿の内側部から血液を集め、大腿静脈に注ぐのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題32|下腿と大腿の内側部から血液を集め、大腿静脈に注ぐのはどれか。
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