学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0148

理由で解く 解剖学

Q0148 循環器系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題29
問題
門脈の構成に関与する静脈はどれか。
選択肢
1 脾静脈
2 肝静脈
3 奇静脈
4 腎静脈
解答
正解1(脾静脈)
解説
✓ 1. 正しい
脾静脈
門脈は膵頭部の後方で上腸間膜静脈と脾静脈が合流して形成される。脾静脈は脾門を出て膵臓後面を右方に走行する過程で下腸間膜静脈や膵静脈を受け、最終的に上腸間膜静脈と合流することで門脈の主要な構成枝となる。脾臓で破壊された赤血球由来のビリルビンや膵臓から分泌されるインスリン・グルカゴンは、この脾静脈を経て門脈から肝臓へ運ばれる。
✗ 2. 誤り
肝静脈
肝静脈は門脈の「構成」ではなく、肝臓を通った血液を下大静脈へ排出する出口の血管である。門脈→肝類洞→中心静脈→肝静脈という流れで、門脈から見ると肝静脈は下流側にあり、構成枝ではない。
✗ 3. 誤り
奇静脈
奇静脈は右の肋間静脈を集めながら脊柱右側を上行し、上大静脈に注ぐ胸壁の静脈系である。門脈系とは別経路だが、門脈圧亢進時には食道静脈叢を介した側副循環路となって門脈血が奇静脈→上大静脈へ逃げる。これは「門脈の構成」ではなく「側副路」である点に注意する。
✗ 4. 誤り
腎静脈
腎静脈は腎門から出て腹大動脈の両側を横走し、下大静脈に直接注ぐ。腎臓は消化管・脾臓と違って門脈を経由する必要がなく、下大静脈へ直結する体循環系の還流路を取るため、門脈の構成には関与しない。
ポイント
  • 門脈は上腸間膜静脈+脾静脈の合流で形成され、下腸間膜静脈は通常脾静脈に合流する。
  • 覚え方のコツ: 門脈の「主要2本=上腸間膜+脾」。下腸間膜は「脾静脈に合流してから門脈へ」と2段階で理解。
  • 関連知識: 門脈血は肝類洞でO₂を失った静脈血だが、胃腸で吸収した栄養分に富むため機能的に重要。
  • よくある間違い: 肝静脈が門脈の構成枝と誤認する/腎静脈を門脈系と混同する/奇静脈を側副路でなく構成枝と誤解する。
  • 臨床応用: 膵癌など膵頭部病変では門脈浸潤を起こしやすく、門脈圧亢進を呈する。B型・C型肝炎由来の肝硬変でも食道静脈瘤出血が致死的合併症となる。
比較表
門脈系の流れ 静脈
構成枝(上流) 上腸間膜静脈、脾静脈(下腸間膜・胃・膵静脈を受ける)
門脈の本幹 門脈(肝門で左右枝に分かれ肝類洞へ)
流出路(下流) 中心静脈 → 肝静脈 → 下大静脈
側副路 食道静脈叢(→奇静脈)、直腸静脈叢、臍傍静脈
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題29|門脈の構成に関与する静脈はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題29|門脈の構成に関与する静脈はどれか。
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