学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0118

理由で解く 解剖学

Q0118 循環器系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題28
問題
十二指腸を栄養する動脈はどれか。
選択肢
1 上腸間膜動脈
2 脾動脈
3 下腸間膜動脈
4 総腸骨動脈
解答
正解1(上腸間膜動脈)
解説
✓ 1. 正しい
上腸間膜動脈
十二指腸は上部(十二指腸球)〜水平部までを腹腔動脈系の胃十二指腸動脈から出る上膵十二指腸動脈が、水平部〜上行部を上腸間膜動脈から出る下膵十二指腸動脈が栄養する。両者は膵頭周囲で吻合輪を形成する。したがって十二指腸への動脈は「腹腔動脈系」と「上腸間膜動脈系」の二系統があり、選択肢の中では上腸間膜動脈が正解となる。前腸後半〜中腸前半の境界臓器であることが血行支配の重複に反映されている。
✗ 2. 誤り
脾動脈
脾動脈は腹腔動脈3分枝の1つで、脾臓・膵体尾・胃底(短胃)・大弯左(左胃大網)を支配する。十二指腸への直接的な栄養は行わない。
✗ 3. 誤り
下腸間膜動脈
下腸間膜動脈は横行結腸左側〜直腸上部(後腸)を栄養する動脈で、小腸・十二指腸には分布しない。中腸と後腸で分布動脈が切り替わる境界を意識する。
✗ 4. 誤り
総腸骨動脈
総腸骨動脈は腹大動脈が第4腰椎で左右に分岐した血管で、骨盤・下肢へ向かう血管の本幹。内腸骨・外腸骨動脈に分岐し、消化管臓器には分布しない。
ポイント
  • 十二指腸は腹腔動脈(上膵十二指腸動脈)と上腸間膜動脈(下膵十二指腸動脈)の二重血行支配を受ける。
  • 覚え方のコツ: 「前腸と中腸の境=十二指腸」と発生区分で覚える。境界臓器は両方向から血行を受ける。
  • 関連知識: 膵頭部も同じ吻合輪から栄養を受けるため、膵十二指腸切除(PD、Whipple手術)では両系統の動脈処理が必須。
  • よくある間違い: 「小腸=上腸間膜動脈」と単純化して十二指腸を忘れやすい。空腸・回腸は上腸間膜動脈だが、十二指腸は二系統支配。
  • 臨床応用: 十二指腸潰瘍穿孔は胃十二指腸動脈を侵食し大量出血を来すことがある。上腸間膜動脈症候群では水平部が圧迫され通過障害を生じる。
比較表
動脈 十二指腸の支配部
上膵十二指腸動脈(胃十二指腸動脈→腹腔動脈系) 上部〜下行部上半
下膵十二指腸動脈(上腸間膜動脈系) 下行部下半〜水平部〜上行部
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題28|十二指腸を栄養する動脈はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題28|十二指腸を栄養する動脈はどれか。
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