学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ E. 間脳 / Q0513

理由で解く 解剖学

Q0513 神経系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題27
問題
下垂体について正しいのはどれか。
選択肢
1 間脳の背側に位置する。
2 血管の分布は乏しい。
3 皮質と髄質に分かれる。
4 下垂体柄で視床下部に連なる。
解答
正解4(下垂体柄で視床下部に連なる。)
解説
✗ 1. 誤り
間脳の背側に位置する。
下垂体は間脳の視床下部の腹側(下方)から漏斗を介してぶら下がる構造で、蝶形骨のトルコ鞍の下垂体窩に収まる。間脳の背側には松果体が突出するが、下垂体は腹側である。
✗ 2. 誤り
血管の分布は乏しい。
下垂体は内分泌腺の中でも特に血管分布が豊富である。特に前葉は視床下部からの下垂体門脈系という特殊な毛細血管網を受け、視床下部の神経分泌ホルモン(放出ホルモン・抑制ホルモン)が直接前葉に運ばれ前葉ホルモン分泌を調節する。後葉も視床下部の神経分泌細胞の軸索終末が血管と接する神経血管性の構造を持つ。
✗ 3. 誤り
皮質と髄質に分かれる。
皮質と髄質に分かれる内分泌腺は副腎である(副腎皮質はステロイドホルモン、副腎髄質はカテコールアミンを分泌)。下垂体は発生学的・構造的に前葉(腺下垂体、ラトケ嚢由来)と後葉(神経下垂体、視床下部由来)に分かれるが、皮質と髄質の区分は持たない。
✓ 4. 正しい
下垂体柄で視床下部に連なる。
下垂体は視床下部の腹側から突き出た漏斗の先にぶら下がる豆粒大の内分泌腺で、漏斗の下方に続く細い柄状の構造(下垂体柄=漏斗)を介して視床下部と連続する。下垂体柄の中を視床下部の神経分泌細胞の軸索(視索上核・室傍核→下垂体後葉へ)と下垂体門脈系の血管(視床下部→下垂体前葉へ)が通り、視床下部から下垂体へのホルモン性・神経性の連絡を媒介する。下垂体は前葉(ACTH・TSH・GH・FSH・LH・PRL)と後葉(ADH・オキシトシン)に分かれ、いずれも視床下部の制御下にある。
ポイント
  • 下垂体は視床下部の腹側から漏斗(下垂体柄)を介してぶら下がり、前葉と後葉に分かれる内分泌腺である。
  • 覚え方のコツ: 「下垂=重力で下へ=視床下部の下」。前葉=腺性・ラトケ嚢由来、後葉=神経性・視床下部由来と発生起源をセットで記憶。
  • 関連知識: 視床下部→下垂体前葉は「下垂体門脈系(血管性)」で放出ホルモンを運ぶ、視床下部→下垂体後葉は「視床下部下垂体路(神経軸索性)」でADH・オキシトシンを運ぶ、と経路が異なる。
  • よくある間違い: 「皮質と髄質に分かれる」のは副腎と混同。下垂体は前葉・後葉。また「間脳の背側」は松果体で、下垂体は腹側の区別。
  • 臨床応用: 下垂体腺腫(プロラクチノーマ・GH産生腫瘍など)、汎下垂体機能低下症(Sheehan症候群)、尿崩症(後葉からのADH分泌低下)、下垂体卒中などが臨床で重要。蝶形骨経由の経蝶形骨洞手術が行われる。
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題27|下垂体について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題27|下垂体について正しいのはどれか。
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