学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ B. 脊髄 / Q0499

理由で解く 解剖学

Q0499 神経系

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題24
問題
成人の脊髄円錐の高さはどれか。
選択肢
1 第11 胸椎
2 第2 腰椎
3 第4 腰椎
4 仙 骨
解答
正解2(第2 腰椎)
解説
✗ 1. 誤り
第11 胸椎
第11胸椎は脊髄円錐の位置より上方にあたり、ここでは脊髄本体(腰髄・仙髄分の神経分節)がまだ存在する。下端ではないため本問の答えではない。
✓ 2. 正しい
第2 腰椎
成人の脊髄は第1~2腰椎(L1-L2)の高さで脊髄円錐として終わり、以降は馬尾として脊髄神経の根が硬膜管内を下降する。脊髄の成長が脊柱の成長より早く止まるため、脊柱全長より短くなり、下端の位置が相対的に上方へシフトする。腰椎穿刺はL3-L4またはL4-L5でヤコビー線を目安に施行し、脊髄本体を避けてクモ膜下腔から脳脊髄液を採取する。この位置関係は臨床で極めて重要で、本問の答えとなる。
✗ 3. 誤り
第4 腰椎
第4腰椎の高さは脊髄円錐より下方で、すでに脊髄本体は終わっており、硬膜管内には馬尾が下降している。腰椎穿刺の穿刺点(L3-L4またはL4-L5)として用いられる高さであり、脊髄円錐ではない。本問の答えではない。
✗ 4. 誤り
仙 骨
仙骨の高さでは脊髄本体は存在せず、終糸が尾骨周囲に達するのみである。脊髄円錐はL1-L2にあり、仙骨よりはるか上方で終わるため、本問の答えではない。胎児期には脊髄が仙骨近くまで達するが、発育に伴い脊柱が脊髄より速く成長するため成人では腰椎上部で終わる。
ポイント
  • 成人の脊髄下端(脊髄円錐)は第1~2腰椎の高さで終わり、それ以下は馬尾として神経根のみが下降する。
  • 覚え方のコツ: 「L1-L2=円錐の終点」「L3以下=馬尾」「L4-L5=腰椎穿刺」と腰椎と構造の対応で覚える。ヤコビー線(両腸骨稜を結ぶ線)がL4目安。
  • 関連知識: 胎生3か月頃は脊髄が脊柱全長に及ぶが、脊柱の成長が速く、新生児でL3、成人でL1-L2まで上昇する。脊髄神経31対は頸髄8・胸髄12・腰髄5・仙髄5・尾髄1。
  • よくある間違い: 脊髄円錐を仙骨の高さと誤認/L4-L5を脊髄円錐と取り違える/胎生期と成人の位置を混同。
  • 臨床応用: 腰椎穿刺はL3-L4またはL4-L5で行い、脊髄円錐(L1-L2)より下方のクモ膜下腔から脳脊髄液を採取する。この位置選択により脊髄本体損傷を避けられる。
比較表
構造 高さ 内容物
脊髄膨大部(腰膨大) Th10-L1 下肢神経起始
脊髄円錐 L1-L2 脊髄下端
馬尾 L2以下 L2以下の神経根
腰椎穿刺部 L3-L4、L4-L5 クモ膜下腔へ穿刺
終糸 L2~尾骨 軟膜の結合組織
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題24|成人の脊髄円錐の高さはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題24|成人の脊髄円錐の高さはどれか。
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