学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ A. 神経系の構成 / Q0494

理由で解く 解剖学

Q0494 神経系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題26
問題
中枢神経の部位と機能との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 視床 ― 内分泌機能の調節
2 中脳 ― 体温調節の中枢
3 小脳 ― 平衡機能の調節
4 延髄 ― 情動行動の中枢
解答
正解3(小脳 ― 平衡機能の調節)
解説
✗ 1. 誤り
視床 ― 内分泌機能の調節
視床は嗅覚を除くすべての感覚情報を大脳皮質へ中継する感覚の関所であり、内分泌調節は担当しない。内分泌調節の中枢は視床下部(下垂体を介する)であって視床ではない。したがって組合せは誤りで、本問の答えではない。
✗ 2. 誤り
中脳 ― 体温調節の中枢
中脳には眼球運動(動眼神経核・滑車神経核)・瞳孔反射・対光反射・姿勢反射などの中枢があり、赤核や黒質など錐体外路系の核も存在するが、体温調節は担わない。体温調節の中枢は視床下部である。組合せは誤りで本問の答えではない。
✓ 3. 正しい
小脳 ― 平衡機能の調節
小脳は虫部と左右の小脳半球からなり、前庭器からの情報を受け取る片葉小節葉(原小脳)は平衡感覚・姿勢保持を、虫部(古小脳)は体幹の筋緊張を、半球(新小脳)は四肢の随意運動の協調と運動学習を担う。平衡機能は小脳の代表的な機能の1つであり、この組合せは正しく本問の答えとなる。小脳障害では酩酊様歩行・体幹失調・眼振などの平衡機能障害が典型的に出現する。
✗ 4. 誤り
延髄 ― 情動行動の中枢
延髄は呼吸中枢・心血管運動中枢・嘔吐中枢・嚥下中枢など生命維持の中枢が集まる脳幹最下部で、情動行動の中枢ではない。情動は大脳辺縁系(扁桃体・帯状回・海馬など)と視床下部が中核をなす。組合せは誤りで本問の答えではない。
ポイント
  • 小脳は平衡・姿勢保持と運動の協調を司る。視床下部=自律・内分泌・体温・情動の上位中枢、延髄=呼吸・循環、中脳=眼球運動・対光反射。
  • 覚え方のコツ: 「小脳=バランス、視床下部=温度/ホルモン/情動、延髄=息と心臓、中脳=目」と一言で紐付ける。
  • 関連知識: 小脳は発生的に原・古・新に分け、原小脳=平衡、古小脳=筋緊張、新小脳=随意運動協調。大脳辺縁系(扁桃体・海馬)は情動と記憶。
  • よくある間違い: 視床と視床下部を混同し内分泌中枢を視床と誤る/中脳を体温調節中枢と誤認/延髄を情動中枢と誤認。
  • 臨床応用: 小脳梗塞・出血では回転性めまい・嘔気・体幹失調・測定障害(ジスメトリア)・反跳現象などが現れ、圧迫性急性水頭症のリスクから緊急減圧が必要になることがある。
比較表
部位 代表的機能 代表的障害症状
大脳皮質 高次機能・随意運動 麻痺・失語・失行
視床 感覚中継 視床痛・感覚障害
視床下部 自律・内分泌・体温 尿崩症・発熱・情動変化
中脳 眼球運動・対光反射 動眼神経麻痺・瞳孔異常
脳神経核・伝導路 片麻痺+顔面麻痺
延髄 呼吸・循環 呼吸停止・嚥下障害
小脳 平衡・協調 失調・眼振・構音障害
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題26|中枢神経の部位と機能との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題26|中枢神経の部位と機能との組合せで正しいのはどれか。
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