学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0657

理由で解く 解剖学

Q0657 神経系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題27
問題
脊髄神経について正しい記述はどれか。
選択肢
1 全部で25 対ある。
2 脊髄神経節は前根に存在する。
3 第5 頸神経は第4 頸椎の下から出る。
4 腰神経には副交感神経線維が含まれる。
解答
正解3(第5 頸神経は第4 頸椎の下から出る。)
解説
✗ 1. 誤り
全部で25 対ある。
脊髄神経は全部で25対ではなく「31対」である。内訳は頸神経8対・胸神経12対・腰神経5対・仙骨神経5対・尾骨神経1対で合計31対。25対は誤り。
✗ 2. 誤り
脊髄神経節は前根に存在する。
脊髄神経節(後根神経節)は前根ではなく「後根」の途中にある。後根が膨れた部分に感覚ニューロン(偽単極性ニューロン)の細胞体が集まり、椎間孔付近に位置する。前根は骨格筋を支配する運動ニューロンの軸索が通り、細胞体は脊髄前角にある。
✓ 3. 正しい
第5 頸神経は第4 頸椎の下から出る。
頸神経は椎骨の数より1対多いため、同じ番号の椎骨の「上」から出る(C1は後頭骨と環椎の間)。したがって第5頸神経は第5頸椎の上、すなわち第4頸椎と第5頸椎の間=第4頸椎の下から出る。一方、C8のみ第7頸椎と第1胸椎の間から出るため、頸椎の数(7)より頸神経の数(8)が1対多くなる。胸神経以下は逆に「同じ番号の椎骨の下」から出るため、T1は第1胸椎の下から出る。頸部で1つずれるこの規則は神経根障害のレベル診断で重要で、頸椎と頸神経の対応を正確に理解する必要がある。
✗ 4. 誤り
腰神経には副交感神経線維が含まれる。
副交感神経線維を含むのは腰神経ではなく「仙骨神経のS2-S4」である。腰神経にはL1-L2の前根に交感神経の節前線維(胸腰系の下端)が含まれるが、副交感神経線維は含まれない。脊髄レベルでの副交感神経節前ニューロンの起始は仙髄(S2-S4)のみ。
ポイント
  • 脊髄神経と椎骨の番号関係は「頸部は上、胸以下は下」と規則が変わり、C8のみは例外として第7頸椎と第1胸椎の間から出る。
  • 覚え方のコツ: 「頸神経=椎骨の上、C8=第7頸椎と第1胸椎の間、T1以下=椎骨の下」と3段階で整理する。
  • 関連知識: 脊髄神経節(後根神経節)は椎間孔のやや中枢側にあり、感覚ニューロンの偽単極性細胞体が集まる。前根と後根の合流後に初めて混合神経となる。
  • よくある間違い: 脊髄神経節が前根にあると誤る/脊髄神経の総数を30や25と誤記する。
  • 臨床応用: 頸椎C4/5椎間板ヘルニアはC5神経根を圧迫し、肩外転力低下と三角筋萎縮、肩外側の感覚障害を起こす。椎間孔レベルでの神経根障害診断に重要。
比較表
椎骨 出る脊髄神経 出る位置
後頭骨-環椎間 C1 後頭下孔
第4頸椎下縁 C5 第4頸椎と第5頸椎の間(椎骨の上)
第7頸椎下縁 C8 第7頸椎と第1胸椎の間(例外的境界)
第1胸椎下縁 T1 第1胸椎の下(以下T・L・S)
第12胸椎下縁 T12 第12胸椎の下(肋下神経)
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題27|脊髄神経について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題27|脊髄神経について正しい記述はどれか。
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