学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0658

理由で解く 解剖学

Q0658 神経系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題28
問題
上肢の皮膚領域と分布する神経との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 上腕の後面 ― 橈骨神経
2 前腕の外側半 ― 尺骨神経
3 前腕の後面 ― 正中神経
4 小指球 ― 筋皮神経
解答
正解1(上腕の後面 ― 橈骨神経)
解説
✓ 1. 正しい
上腕の後面 ― 橈骨神経
橈骨神経は上腕の後面・後下面の皮膚を後上腕皮神経・後下腕皮神経として支配する。さらに前腕後面は後前腕皮神経が担い、終末として手背橈側半(母指〜薬指橈側半の基部)の皮膚に分布する。腋窩から上腕背側を螺旋状に走行するため、上腕骨中央の橈骨神経溝で皮膚・筋ともに橈骨神経領域と対応付けて記憶する。
✗ 2. 誤り
前腕の外側半 ― 尺骨神経
前腕の外側半(橈側)の皮膚は筋皮神経の終枝である外側前腕皮神経が支配する。尺骨神経の皮枝は前腕遠位の内側(尺側)と手の内側(小指および薬指尺側半)に限局し、前腕外側には達しない。
✗ 3. 誤り
前腕の後面 ― 正中神経
前腕の後面の皮膚は橈骨神経の枝である後前腕皮神経が支配する。正中神経の皮枝は手掌橈側半と母指〜薬指橈側半の掌側に限局し、前腕の皮膚には原則として分布しない。前腕屈筋群の運動支配が正中神経の主役である。
✗ 4. 誤り
小指球 ― 筋皮神経
小指球(手の尺側)の皮膚感覚は尺骨神経の掌側枝・背側枝が担う。筋皮神経は上腕屈筋群(烏口腕筋・上腕二頭筋・上腕筋)の運動と、その終枝である外側前腕皮神経による前腕外側皮膚の感覚を支配するにとどまり、手部には及ばない。
ポイント
  • 上肢後面の皮膚(上腕後・前腕後・手背橈側)は橈骨神経系列が一貫して支配する。
  • 覚え方のコツ: 「後ろは橈骨/外は筋皮/内は尺骨/掌の橈側は正中」と4方位で対応付ける。
  • 関連知識: 前腕外側=外側前腕皮神経(筋皮神経終枝)、前腕内側=内側前腕皮神経(内側神経束直接枝)、前腕後=後前腕皮神経(橈骨神経枝)。
  • よくある間違い: 「小指球=筋皮」「前腕後=正中」と方位と神経を取り違える。小指球は尺骨、前腕後は橈骨が原則。
  • 臨床応用: 上腕骨骨幹部骨折で橈骨神経溝損傷が起こると、上腕〜前腕後面〜手背橈側の感覚障害と下垂手(Drop hand)を合併する。
比較表
皮膚領域 支配神経 由来/系列
上腕 後面 後上腕皮神経・後下腕皮神経 橈骨神経
上腕 内側 内側上腕皮神経 内側神経束
前腕 外側(橈側) 外側前腕皮神経 筋皮神経(終枝)
前腕 後面 後前腕皮神経 橈骨神経
前腕 内側(尺側) 内側前腕皮神経 内側神経束
手掌 橈側・母指〜薬指橈側半 正中神経 掌側枝 正中神経
手掌 尺側・小指球 尺骨神経 掌側枝 尺骨神経
手背 橈側 浅枝(橈骨神経) 橈骨神経
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題28|上肢の皮膚領域と分布する神経との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題28|上肢の皮膚領域と分布する神経との組合せで正しいのはどれか。
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