学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0659

理由で解く 解剖学

Q0659 神経系

出典:鍼灸 第20回(2012) 問題17
問題
橈骨神経について正しいのはどれか。
選択肢
1 腕神経叢の外側神経束に由来する。
2 内側腋窩隙を通過する。
3 回外筋を貫く。
4 手掌橈側半の感覚を支配する。
解答
正解3(回外筋を貫く。)
解説
✗ 1. 誤り
腕神経叢の外側神経束に由来する。
橈骨神経は腕神経叢の後神経束から分枝する(C5〜T1)。後神経束から出る主な枝は腋窩神経・橈骨神経であり、外側神経束からは筋皮神経と正中神経外側根が、内側神経束からは尺骨神経と正中神経内側根が起始する。
✗ 2. 誤り
内側腋窩隙を通過する。
橈骨神経は上腕深動脈とともに外側腋窩隙(外側四辺形孔の下方、大円筋・上腕三頭筋長頭・上腕骨で囲まれる三辺形孔=上腕三頭筋裂孔)を通過する。内側腋窩隙(四辺形孔:小円筋・大円筋・上腕三頭筋長頭・上腕骨で囲まれる)を通るのは腋窩神経と後上腕回旋動脈である。
✓ 3. 正しい
回外筋を貫く。
橈骨神経は上腕骨外側上顆前方で深枝(後骨間神経)と浅枝に分かれ、深枝が回外筋の浅頭と深頭の間( Frohse アーチ)を貫いて前腕伸筋群を支配する。浅枝は腕橈骨筋の深部を下行し手背橈側の皮膚感覚を担う。回外筋貫通部での絞扼が後骨間神経症候群の成因となる。
✗ 4. 誤り
手掌橈側半の感覚を支配する。
手掌橈側半(母指〜薬指橈側半の掌側)の皮膚感覚は正中神経が支配する。橈骨神経浅枝が担うのは手背橈側半(母指〜薬指橈側の背側、ただし指の末節背面は正中神経)であり、掌側と背側で支配が異なる点を明確に区別する。
ポイント
  • 橈骨神経は後神経束由来で、外側腋窩隙→橈骨神経溝→外側上顆前方で深枝と浅枝に分岐、深枝は回外筋を貫く。
  • 覚え方のコツ: 「後神経束→外側腋窩隙→溝→回外筋」と走行順で暗記。四辺形孔は腋窩神経、三辺形孔は橈骨神経と動詞で対比。
  • 関連知識: 深枝は回外筋貫通後に後骨間神経となり前腕伸筋群を支配、浅枝は感覚枝として手背橈側に分布する。
  • よくある間違い: 内側腋窩隙(腋窩神経)と外側腋窩隙(橈骨神経)の混同、外側神経束と後神経束の由来混同が頻出。
  • 臨床応用: 回外筋浅頭(Frohse アーチ)での絞扼は後骨間神経症候群を招き、感覚障害を欠いたまま手指伸展不能を呈するため橈骨神経麻痺と鑑別する。
比較表
部位 走行/内容
由来 腕神経叢 後神経束(C5〜T1)
腋窩 外側腋窩隙(三辺形孔)を上腕深動脈と通過
上腕 上腕骨 橈骨神経溝を螺旋状に下行
肘前 外側上顆前方で 深枝/浅枝 に分岐
深枝 回外筋を貫き 後骨間神経 として伸筋群支配
浅枝 腕橈骨筋下を下行→手背橈側の皮膚感覚
解説画像
鍼灸 第20回(2012) 問題17|橈骨神経について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第20回(2012) 問題17|橈骨神経について正しいのはどれか。
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