
この図の解説
図は鼻腔・口腔の奥をつらぬく正中断面で、咽頭の内壁に沿って4種の扁桃が並ぶようすを示している。上方、鼻腔天井の後方に位置する隆起が咽頭扁桃で、その斜め下、耳管咽頭口のまわりを囲むのが耳管扁桃である。下方に目を移すと、口腔の奥の側壁に口蓋扁桃、舌根の表面にごつごつと隆起する舌扁桃がみえる。左下の模式図が示すとおり、これら4種の扁桃は咽頭内腔を取り囲むように輪状に並び、この一連の扁桃群をワルダイエルの咽頭輪(扁桃輪)と呼ぶ。扁桃は咽頭粘膜にできたリンパ小節の集団で、粘膜表面には陰窩という深いくぼみが陥入し、その下に多数のリンパ小節が並ぶ。口や鼻から侵入しやすい細菌などの抗原に対し、最前線でBリンパ球を増生し抗体産生を促す関所として働く。
学習の要点
- ワルダイエルの咽頭輪を構成するのは咽頭扁桃・耳管扁桃・口蓋扁桃・舌扁桃の4種で、咽頭内腔を輪状に取り囲む。
- 覚え方のコツ: 「上から時計回りに 咽頭→耳管→口蓋→舌」。鼻の奥(咽頭扁桃)から始まり口の奥(舌扁桃)で終わると位置がつながる。
- 関連知識: 扁桃は咽頭粘膜のリンパ小節の集団で、表面は重層扁平上皮。陰窩の粘膜下にリンパ小節が並び、抗原刺激でBリンパ球が増生し抗体を産生する。回腸のパイエル板(集合リンパ小節)と同じ「粘膜のリンパ小節」の仲間。
- よくある間違い: 扁桃は独立した被膜をもつ「リンパ節」ではなく、粘膜内の「リンパ小節」の集合。リンパ門や輸入・輸出リンパ管はもたない。
- 臨床応用: 感冒でのどが痛むとき、これらの扁桃が炎症(扁桃腺炎)を起こして発赤・腫脹する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
咽頭内腔を輪状に取り囲む一連の扁桃群を、( )の咽頭輪と呼ぶ。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: ワルダイエル
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。