学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0159

理由で解く 解剖学

Q0159 循環器系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題24
問題
静脈とそれが直接注ぐ静脈との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 奇静脈 ― 腕頭静脈
2 精巣静脈 ― 内腸骨静脈
3 内頸静脈 ― 上大静脈
4 上腸間膜静脈 ― 門脈
解答
正解4(上腸間膜静脈 ― 門脈)
解説
✗ 1. 誤り
奇静脈 ― 腕頭静脈
奇静脈は脊柱右側を上行し、第4胸椎の高さで前方に弓状にカーブして上大静脈の後面に直接注ぐ。腕頭静脈に流入することはない。腕頭静脈は内頸静脈と鎖骨下静脈の合流で作られ、左右が合して上大静脈となる別系統の静脈。
✗ 2. 誤り
精巣静脈 ― 内腸骨静脈
精巣静脈(卵巣静脈)は左右差があり、右側は下大静脈に直接鋭角に注ぐのに対し、左側は左腎静脈に直角に注ぐ。内腸骨静脈ではなく、いずれも下大静脈系への合流ルートをとる。左側が鬱滞しやすく、左精索静脈瘤の好発につながる。
✗ 3. 誤り
内頸静脈 ― 上大静脈
内頸静脈は頸静脈孔から下行し、鎖骨の後方で鎖骨下静脈と合流して腕頭静脈を形成する。この合流角が静脈角で、胸管(左)や右リンパ本幹(右)がここに注ぐ。したがって内頸静脈が直接注ぐのは腕頭静脈であって、上大静脈ではない。
✓ 4. 正しい
上腸間膜静脈 ― 門脈
上腸間膜静脈は空腸・回腸・右半結腸の血液を集めて上行し、膵頭部の後方で脾静脈と直角に合流して門脈本幹を形成する。つまり上腸間膜静脈の直接の注入先は門脈であり、門脈三大支流のうち最も豊富な血流(腸管吸収血の主経路)を担う。
ポイント
  • 静脈の「直接注ぐ先」を問う問題では、門脈系(脾・上腸間膜・下腸間膜)と上大静脈系(奇静脈・腕頭静脈)と下大静脈系(肝・腎・腰・性腺)の3系統を即座に切り分けるのが鉄則。
  • 覚え方のコツ: 「奇静脈→上大静脈、内頸静脈→腕頭静脈、上腸間膜→門脈、右精巣→下大静脈/左精巣→左腎静脈」を語呂でセット暗記。
  • 関連知識: 左精巣(卵巣)静脈が左腎静脈に直角合流することが左精索静脈瘤の発生要因。また左腎静脈自体が上腸間膜動脈と腹大動脈の間で圧迫されるとnutcracker現象で血尿を生ずる。
  • よくある間違い: 「静脈は動脈と同じ経路」と考え、内頸静脈=上大静脈と安易に結びつける。静脈の多くは一段階介して上下大静脈に至ることに注意。
  • 臨床応用: 門脈圧測定は経頸静脈肝内門脈体循環シャント(TIPS)などの肝臓病治療で重要。内頸静脈→腕頭静脈→上大静脈→右心房→下大静脈→肝静脈と辿って門脈に到達する。
比較表
静脈 直接の注入先
奇静脈 上大静脈(後面)
右精巣・卵巣静脈 下大静脈
左精巣・卵巣静脈 左腎静脈
内頸静脈 腕頭静脈(鎖骨下静脈と合流)
上腸間膜静脈 門脈(脾静脈と合流)
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題24|静脈とそれが直接注ぐ静脈との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題24|静脈とそれが直接注ぐ静脈との組合せで正しいのはどれか。
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