学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ A. 神経系の構成 / Q0493

理由で解く 解剖学

Q0493 神経系

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題25
問題
中枢神経系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 神経線維の集まっているところを白質という。
2 神経膠細胞の数は神経細胞とほぼ等しい。
3 星状膠細胞は血球に由来する。
4 シュワン細胞が髄鞘形成にあたる。
解答
正解1(神経線維の集まっているところを白質という。)
解説
✓ 1. 正しい
神経線維の集まっているところを白質という。
中枢神経系では神経線維(軸索とそれを包む髄鞘)の集まっている場所は有髄線維のミエリンにより白く見えるので白質と呼ばれ、神経細胞体の集まった領域は灰色がかって見えるので灰白質と呼ばれる。この区別は光学的に観察した切断面の色に由来する伝統的な定義で、大脳では表層が皮質(灰白質)で深部が髄質(白質)、脊髄では逆に中央が灰白質で周囲が白質となる。記述は事実と合致し、本問の答えとなる。
✗ 2. 誤り
神経膠細胞の数は神経細胞とほぼ等しい。
ヒトの中枢神経では神経膠細胞(グリア)の数は神経細胞の数倍から10倍にのぼると古くから言われ、近年の計測でもグリアはニューロンを上回ることが多い。少なくとも「ほぼ等しい」という記述は成り立たないため、本問の答えではない。
✗ 3. 誤り
星状膠細胞は血球に由来する。
星状膠細胞(アストロサイト)はニューロンと同じく外胚葉(神経管由来の神経上皮)から分化する神経系細胞であり、血球(中胚葉由来)には由来しない。中胚葉由来のグリアは唯一ミクログリアで、マクロファージ系の血球から中枢に移入するとされる。本問の答えではない。
✗ 4. 誤り
シュワン細胞が髄鞘形成にあたる。
シュワン細胞は末梢神経に存在するグリアで末梢有髄線維の髄鞘を形成する。中枢神経系の髄鞘を形成するのは希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)であり、シュワン細胞ではない。設問は中枢神経系についての記述であり誤りのため、本問の答えではない。
ポイント
  • 神経線維が集まる場所を白質、神経細胞体の集まる場所を灰白質と呼ぶ。中枢の髄鞘はオリゴデンドロサイト、末梢はシュワン細胞が形成する。
  • 覚え方のコツ: 「白=ミエリンの白、灰=細胞体の灰」と色で覚える。大脳は外が灰内が白、脊髄は外が白内が灰と場所で逆転する。
  • 関連知識: 中枢グリアはアストロサイト・オリゴ・ミクロ・上衣の4種。アストロサイトはBBB形成、ミクログリアは血球(中胚葉)由来の貪食細胞で唯一の中胚葉性グリア。
  • よくある間違い: 白質を灰白質と逆に記憶/中枢の髄鞘形成をシュワン細胞と誤認/星状膠細胞を血球由来と誤る(神経上皮由来)。
  • 臨床応用: 多発性硬化症は中枢神経の髄鞘(オリゴデンドロサイト由来)が自己免疫的に脱髄され、視神経炎・脊髄症状・小脳失調などが時間的・空間的に多発する。
比較表
細胞 由来 役割
ニューロン 神経上皮(外胚葉) 興奮伝達
アストロサイト 神経上皮 BBB・代謝支持
オリゴデンドロサイト 神経上皮 中枢の髄鞘
ミクログリア 中胚葉(血球系) 貪食・免疫
上衣細胞 神経上皮 脳室上皮
シュワン細胞 神経堤 末梢の髄鞘
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題25|中枢神経系について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題25|中枢神経系について正しい記述はどれか。
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