学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ A. 神経系の構成 / Q0495

理由で解く 解剖学

Q0495 神経系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題15
問題
神経膠細胞で中枢神経の髄鞘形成に関与するのはどれか。
選択肢
1 上衣細胞
2 小膠細胞
3 星状膠細胞
4 希突起膠細胞
解答
正解4(希突起膠細胞)
解説
✗ 1. 誤り
上衣細胞
上衣細胞は脳室と脊髄中心管の内面を覆う一層の立方~円柱上皮様細胞で、繊毛を持ち脳脊髄液の流れを助ける。髄鞘形成には関与しないため、本問の答えではない。
✗ 2. 誤り
小膠細胞
小膠細胞(ミクログリア)は中胚葉(血球系)由来の唯一の中枢マクロファージで、異物・壊死細胞の貪食や免疫応答を担う。髄鞘形成には関与しないため、本問の答えではない。
✗ 3. 誤り
星状膠細胞
星状膠細胞(アストロサイト)は中枢で最も数の多いグリアで、突起を血管壁に伸ばして血液脳関門を形成し、ニューロンへの代謝支持・シナプス環境調節・K+バッファリングなどを担う。髄鞘形成はしないため、本問の答えではない。
✓ 4. 正しい
希突起膠細胞
希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)は中枢神経で髄鞘を形成するグリアで、1個の細胞が複数の突起を伸ばし、それぞれが近隣の軸索を取り巻いて髄鞘節をつくる。1個のオリゴデンドロサイトは最大40本以上の軸索の髄鞘を同時に維持できる点が、末梢で1細胞1節対応のシュワン細胞と大きく異なる。中枢神経の跳躍伝導を可能にする髄鞘の主体であり、本問の答えとなる。
ポイント
  • 中枢の髄鞘はオリゴデンドロサイトが形成し、1細胞で複数軸索を担当する。末梢はシュワン細胞が1細胞1節を担当する。
  • 覚え方のコツ: 「中=オリゴ(多)、末=シュワン(1対1)」と対応軸索数で対比。オリゴは「タコ足配線」、シュワンは「巻き寿司」のイメージ。
  • 関連知識: 他の中枢グリア:アストロサイト=BBB・代謝支持、ミクログリア=免疫貪食(中胚葉由来)、上衣細胞=脳室上皮。
  • よくある間違い: 中枢の髄鞘形成をシュワン細胞や星状膠細胞と誤認/オリゴの対応軸索数を1本と誤る/上衣細胞を髄鞘形成細胞と間違える。
  • 臨床応用: 多発性硬化症は中枢神経の髄鞘(オリゴデンドロサイトの産物)が自己免疫的に脱髄し、視神経炎・複視・しびれ・四肢麻痺・失調などが寛解増悪を繰り返す。MRIのT2高信号病変が診断に有用。
比較表
グリア 由来 役割 対応軸索
オリゴデンドロサイト 外胚葉(神経上皮) 中枢の髄鞘 複数(〜40本)
シュワン細胞 神経堤 末梢の髄鞘 1細胞1節
アストロサイト 外胚葉 BBB・代謝支持 無関係
ミクログリア 中胚葉(血球) 貪食・免疫 無関係
上衣細胞 外胚葉 脳室上皮 無関係
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題15|神経膠細胞で中枢神経の髄鞘形成に関与するのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題15|神経膠細胞で中枢神経の髄鞘形成に関与するのはどれか。
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