学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ A. 視覚器 / Q0687

理由で解く 解剖学

Q0687 感覚器系

出典:あマ指 第21回(2013) 問題33
問題
視覚器について正しい記述はどれか。
選択肢
1 角膜の知覚は眼神経が伝える。
2 散瞳には動眼神経が関与する。
3 下斜筋は滑車神経に支配される。
4 上眼瞼挙筋は顔面神経に支配される。
解答
正解1(角膜の知覚は眼神経が伝える。)
解説
✓ 1. 正しい
角膜の知覚は眼神経が伝える。
角膜の一般感覚(触・痛・温覚)は三叉神経第1枝である眼神経(V1)の枝「鼻毛様体神経」の長毛様神経と短毛様神経が担う。異物が角膜に触れると V1 が求心路となり、中枢から VII(顔面神経)を介して両側の眼輪筋を収縮させる「角膜反射(瞬目反射)」が起こる。V1 単独障害では患側でも反射は消失するが健側からの刺激ならば両眼閉じるという臨床所見があり、求心路と遠心路の脳神経区別が試験で頻出。
✗ 2. 誤り
散瞳には動眼神経が関与する。
動眼神経(III)は副交感性に「瞳孔括約筋」を支配し縮瞳を起こす。散瞳(瞳孔散大)は交感神経支配の瞳孔散大筋による作用で、上頸神経節を経た交感節後線維が担う。動眼神経麻痺で副交感が脱落すると「相対的散瞳」が起こるが、能動的な散瞳は交感神経の役割である。
✗ 3. 誤り
下斜筋は滑車神経に支配される。
下斜筋は動眼神経(III)支配の外眼筋で、眼球を外上方に向ける作用を持つ。滑車神経(IV)が支配する外眼筋は「上斜筋」1筋のみで、下斜筋は担当外。IV→上斜筋、VI→外側直筋、残り全ての外眼筋+上眼瞼挙筋→IIIという対応が鉄則。
✗ 4. 誤り
上眼瞼挙筋は顔面神経に支配される。
上眼瞼挙筋は動眼神経(III)支配の骨格筋部分と、交感神経支配の平滑筋部分(ミュラー筋)から成る。顔面神経(VII)は「眼輪筋」(眼を閉じる表情筋)を支配する神経であり、眼瞼を挙上する筋への関与はない。III 障害=眼瞼下垂、VII 障害=眼瞼閉鎖不全(兎眼)、と区別する。
ポイント
  • 角膜の知覚は三叉神経眼神経(V1)が担い、角膜反射では求心路がV1・遠心路がVII(眼輪筋)という「V+VII」の反射弓を形成する。
  • 覚え方のコツ: 眼球関連反射は「対光反射=II+III/角膜反射=V+VII」。求心路・遠心路を分けて整理する。
  • 関連知識: 外眼筋の神経支配は「LR6SO4、他すべてIII」。LR(外側直筋)=VI、SO(上斜筋)=IV、残り4筋と上眼瞼挙筋=III。
  • よくある間違い: 下斜筋を「下にあるから IV」と類推してしまうミス。下斜筋は III、上斜筋だけが IV と覚える。
  • 臨床応用: 完全型動眼神経麻痺では外下方偏位・眼瞼下垂・散瞳の3徴候がそろう。ホルネル症候群(交感神経障害)では「縮瞳+眼瞼下垂+発汗低下」の逆パターンが出る。
比較表
外眼筋 支配神経
外側直筋 VI 外転神経
上斜筋 IV 滑車神経
上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋 III 動眼神経
上眼瞼挙筋(骨格筋部) III 動眼神経
眼輪筋 VII 顔面神経
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題33|視覚器について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題33|視覚器について正しい記述はどれか。
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