学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ E. 副腎 / Q0473

理由で解く 解剖学

Q0473 内分泌系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題31
問題
副腎について正しい記述はどれか。
選択肢
1 ランゲルハンス島を有する。
2 腎臓の内部に散在する。
3 皮質と髄質とがある。
4 リンパ性器官である。
解答
正解3(皮質と髄質とがある。)
解説
✗ 1. 誤り
ランゲルハンス島を有する。
ランゲルハンス島(膵島)は膵臓の実質内に散在する内分泌細胞塊であり、副腎には存在しない。副腎はステロイド産生の皮質とカテコラミン産生の髄質が層をなす独自の組織構造をもち、膵島のような小島様構造とは発生起源も機能も異なる。
✗ 2. 誤り
腎臓の内部に散在する。
副腎は腎臓の「内部」にあるのではなく、左右の腎臓上極に帽子のように冠っている独立した器官である。腎臓の脂肪被膜内に一緒に包まれているが、腎臓とは発生起源も機能もまったく異なり、両者は組織学的にも明瞭な境界で隔てられる。
✓ 3. 正しい
皮質と髄質とがある。
副腎は発生起源の異なる二つの組織が一つの被膜に包まれた複合内分泌器官である。外層の皮質は中胚葉(生殖隆起外側)由来で、外側から順に球状帯(アルドステロンなど電解質コルチコイド)、束状帯(コルチゾールなど糖質コルチコイド)、網状帯(副腎アンドロゲン)の三層からなりステロイドホルモンを分泌する。中央の髄質は神経堤(交感神経節由来のクロム親和性細胞)由来で、交感神経節後線維相当の機能を担い、アドレナリン・ノルアドレナリンを血中に放出する。このように「外=皮質/中=髄質」という層構造をとる点が副腎の最大の特徴である。
✗ 4. 誤り
リンパ性器官である。
副腎は内分泌器官であって、リンパ性器官(リンパ球の産生・成熟・貯蔵を行う組織)ではない。代表的なリンパ性器官は胸腺・脾臓・リンパ節・扁桃・パイエル板などで、リンパ球が密に集積した特有の組織構造をもつ。副腎の組織像(層状の皮質と髄質)とは根本的に異なる。
ポイント
  • 副腎は中胚葉由来の皮質と神経堤由来の髄質が単一被膜内に同居する複合内分泌器官で、両腎上極に接する三角形の臓器。
  • 覚え方のコツ: 皮質三層は「GFR」=球状帯Glomerulosa(電解質)・束状帯Fasciculata(糖質)・網状帯Reticularis(性ホルモン)。髄質は「クロム親和=交感神経の末端相当」。
  • 関連知識: 副腎皮質は下垂体前葉ACTHで束状帯・網状帯が、レニン-アンジオテンシン系で球状帯が調節される。髄質は交感神経節前線維が直接支配する。
  • よくある間違い: 副腎を腎臓の一部と誤認/皮質と髄質のホルモンを取り違える/副腎にランゲルハンス島があると誤解する(膵臓の構造と混同)。
  • 臨床応用: クッシング症候群(束状帯のコルチゾール過剰)、原発性アルドステロン症(球状帯)、褐色細胞腫(髄質)、アジソン病(皮質全体の機能低下)など層ごとに異なる疾患が対応する。
比較表
部位 層・組織 発生起源 主なホルモン
皮質・球状帯 最外層 中胚葉 アルドステロン(電解質コルチコイド)
皮質・束状帯 中間層(最厚) 中胚葉 コルチゾール(糖質コルチコイド)
皮質・網状帯 最内層 中胚葉 副腎アンドロゲン
髄質 中央 神経堤 アドレナリン・ノルアドレナリン
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題31|副腎について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題31|副腎について正しい記述はどれか。
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