学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ C. 甲状腺 / Q0468

理由で解く 解剖学

Q0468 内分泌系

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題24
問題
甲状腺について正しいのはどれか。
選択肢
1 中胚葉に由来する。
2 上甲状腺動脈は外頸動脈の枝である。
3 下甲状腺静脈は鎖骨下静脈に流入する。
4 傍濾胞細胞から出るホルモンは血中カルシウム濃度を上げる。
解答
正解2(上甲状腺動脈は外頸動脈の枝である。)
解説
✗ 1. 誤り
中胚葉に由来する。
甲状腺は中胚葉ではなく「内胚葉」由来である。胎生期に原始咽頭底部(舌盲孔部)から内胚葉性の上皮索(甲状舌管)が下降し、頸部気管前面に定着して甲状腺となる。中胚葉由来の内分泌器官は副腎皮質・性腺(ゴナド)などで、甲状腺とは由来が異なる。
✓ 2. 正しい
上甲状腺動脈は外頸動脈の枝である。
上甲状腺動脈は外頸動脈が総頸動脈から分岐した直後に出す最初の枝で、甲状腺の上極を栄養する。甲状腺への動脈血供給は上甲状腺動脈(外頸動脈由来)と下甲状腺動脈(鎖骨下動脈の甲状頸動脈由来)の2系統からなり、両者が豊富な吻合を形成するため甲状腺は血流に富む。このため甲状腺手術では出血コントロールが重要で、上甲状腺動脈の近傍を走る上喉頭神経外枝(輪状甲状筋支配)の損傷にも注意を要する。
✗ 3. 誤り
下甲状腺静脈は鎖骨下静脈に流入する。
下甲状腺静脈は鎖骨下静脈ではなく、「左・右腕頭静脈」(多くは左腕頭静脈)に流入する。上甲状腺静脈と中甲状腺静脈は内頸静脈へ注ぐ。流入先を取り違えないよう、甲状腺の静脈還流は「上・中は内頸静脈、下は腕頭静脈」と整理して覚える。
✗ 4. 誤り
傍濾胞細胞から出るホルモンは血中カルシウム濃度を上げる。
傍濾胞細胞(C細胞)から分泌されるカルシトニンは、破骨細胞の活動を抑制して骨吸収を抑え、血中Ca濃度を「下げる」ホルモンである。血中Caを上げるのは上皮小体の主細胞から分泌されるパラソルモン(PTH)で、作用方向が逆である。
ポイント
  • 上甲状腺動脈は外頸動脈の最初の枝で、下甲状腺動脈は鎖骨下動脈の甲状頸動脈由来。
  • 覚え方のコツ: 「上は外、下は鎖(さこ)」で動脈由来、「上中は内頸、下は腕頭」で静脈還流を記憶。
  • 関連知識: 甲状腺の発生は内胚葉(咽頭底舌盲孔)由来、副腎皮質・性腺は中胚葉由来、副腎髄質・神経系は外胚葉由来。
  • よくある間違い: 上甲状腺動脈を鎖骨下動脈の枝と誤認/カルシトニンを血中Ca上昇ホルモンと取り違える/下甲状腺静脈を鎖骨下静脈注入と誤認。
  • 臨床応用: 甲状腺全摘術で下甲状腺動脈近傍を走る反回神経を損傷すると声帯麻痺による嗄声、両側損傷では呼吸困難をきたす。上甲状腺動脈結紮時は上喉頭神経外枝に注意。
比較表
項目 上甲状腺 下甲状腺
動脈の起始 外頸動脈 鎖骨下動脈の甲状頸動脈
静脈の還流先 内頸静脈 腕頭静脈(主に左)
伴走神経 上喉頭神経外枝 反回神経(下喉頭神経)
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題24|甲状腺について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題24|甲状腺について正しいのはどれか。
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