学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0560

理由で解く 解剖学

Q0560 神経系

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題25
問題
感覚とその中継核の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 触覚———後索核
2 聴覚———上丘
3 嗅覚———弧束核
4 視覚———内側膝状体
解答
正解1(触覚———後索核)
解説
✓ 1. 正しい
触覚———後索核
識別性触覚・位置覚・振動覚などの深部感覚は、脊髄後根から入って後索(薄束・楔状束)を同側で上行し、延髄下部の後索核(薄束核・楔状束核)で二次ニューロンに乗り換えて中継される。二次ニューロンの軸索は延髄で正中を越えて交叉(内側毛帯交叉)し、反対側の内側毛帯として延髄・橋・中脳被蓋を上行して視床VPLに至り、三次ニューロンに乗り換えて大脳皮質体性感覚野へ投射する。脊髄神経節→後索→後索核→視床→大脳の3ニューロン経路のうち、後索核は脳幹における最初の重要な中継核である。狭義の触覚(粗大な触覚)は脊髄視床路とも一部重なるが、精密な識別性触覚は後索核系を介する。
✗ 2. 誤り
聴覚———上丘
聴覚の中継核は下丘(中脳背面の四丘体の下方)と内側膝状体(視床後部)である。上丘は視覚の反射運動(動く目標を追う眼球運動など)の中枢で、聴覚ではない。上丘=視覚反射、下丘=聴覚中継、と縦並びで区別する。
✗ 3. 誤り
嗅覚———孤束核
孤束核(延髄背側)で中継されるのは味覚と内臓感覚であり、嗅覚ではない。嗅覚は鼻腔嗅上皮の嗅細胞→嗅球→嗅索→梨状葉(一次嗅覚野)と視床を経由せずに大脳皮質へ到達する唯一の感覚で、脳幹・視床に中継核を持たない。
✗ 4. 誤り
視覚———内側膝状体
視覚の中継核は外側膝状体(視床後部の外側)で、網膜神経節細胞からの視索がここで中継される。内側膝状体は聴覚の中継核であり、混同しやすい代表的な誤りである。「外=見る、内=聞く」と覚える。
ポイント
  • 識別性触覚・深部感覚は後索核で中継され、内側毛帯交叉後に視床VPLを経て体性感覚野に到達する。
  • 覚え方のコツ: 「後索→後索核で乗り換え→内側毛帯→視床→皮質」と駅順で暗唱。「外見る・内聞く・上見・下聞」と膝状体・四丘体の視聴コンビで誤答回避。
  • 関連知識: 痛温覚は脊髄分節内で後角ニューロンに乗り換えて交叉し、対側の外側脊髄視床路として視床VPLへ上行。触覚(粗大)も同様に脊髄視床路経由の成分がある。深部感覚・識別性触覚と痛温覚は交叉部位が異なる。
  • よくある間違い: 「上丘=聴覚/下丘=視覚」と逆に覚える/「嗅覚は視床で中継」と誤認(嗅覚は視床を経由しない唯一の例外)。
  • 臨床応用: 脊髄後索障害(亜急性連合性脊髄変性症、脊髄癆=タベス)で位置覚・振動覚障害+ロンベルグ徴候。延髄背側梗塞で内側毛帯障害→対側の識別性触覚脱失。
比較表
感覚 中継核 最終到達部位
識別性触覚・深部感覚 後索核→視床VPL 一次体性感覚野(頭頂葉)
痛温覚 脊髄後角→視床VPL 一次体性感覚野
視覚 外側膝状体 一次視覚野(後頭葉)
聴覚 下丘→内側膝状体 一次聴覚野(側頭葉)
味覚 孤束核→視床VPM 味覚野(島・中心後回下部)
嗅覚 (視床中継なし) 梨状葉(一次嗅覚野)
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題25|感覚とその中継核の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題25|感覚とその中継核の組合せで正しいのはどれか。
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