学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0561

理由で解く 解剖学

Q0561 神経系

出典:あマ指 第33回(2025) 問題20
問題
内側膝状体で中継されるのはどれか。
選択肢
1 嗅 覚
2 視 覚
3 聴 覚
4 温度覚
解答
正解3(聴 覚)
解説
✗ 1. 誤り
嗅 覚
嗅覚は鼻腔嗅上皮の嗅細胞→嗅球→嗅索→梨状葉(一次嗅覚野)・扁桃体と、視床を経由せずに直接大脳皮質に達する唯一の感覚である。内側膝状体はもとより視床全体で中継されない。
✗ 2. 誤り
視 覚
視覚の中継核は視床後部の外側膝状体である。網膜→視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視放線→後頭葉の一次視覚野、という経路をとる。内側膝状体ではなく「外側」である点を明確に区別する。
✓ 3. 正しい
聴 覚
聴覚情報は、内耳の蝸牛(コルチ器)で感受された後、蝸牛神経(第VIII脳神経の蝸牛枝)→延髄の蝸牛神経核→外側毛帯→中脳の下丘(四丘体下方、聴覚の反射・中継)→視床後部の内側膝状体→聴放線(内包の一部を通過)→側頭葉の一次聴覚野(横側頭回/Heschl回)という多段階の経路で大脳皮質に到達する。内側膝状体は視床における聴覚の最終中継核として、下丘からの情報を受け取り聴放線を介して大脳皮質へ送り出す役割を果たす。内側膝状体の障害は皮質下難聴を生じうるが、聴覚伝導路が左右の中継核で重複しているため、一側障害での臨床症状は比較的軽微なことが多い。
✗ 4. 誤り
温度覚
温度覚(痛温覚の一部)は脊髄後角の二次ニューロンに乗り換え、脊髄分節内で対側に交叉して外側脊髄視床路として対側側索を上行し、視床の後外側腹側核(VPL)で中継される。内側膝状体ではなく視床VPLが中継核である。
ポイント
  • 内側膝状体は聴覚の視床中継核で、下丘から聴覚情報を受けて側頭葉の聴覚野へ伝達する。
  • 覚え方のコツ: 「内でうち聴く=内側膝状体」「外でよく見る=外側膝状体」と感覚と方位を語呂で結ぶ。視床後部の"膝"=膝小僧のような小丘の形状も視覚化。
  • 関連知識: 聴覚経路の中継は5段階:蝸牛神経節→蝸牛神経核(延髄)→上オリーブ核→下丘(中脳)→内側膝状体(視床)→聴覚野。両側性投射のため一側障害では難聴になりにくい。
  • よくある間違い: 「視覚と内側膝状体」の取り違え、「上丘=聴覚/下丘=視覚」の逆覚え。上丘・下丘の視聴ペアと膝状体の視聴ペアを正しく整理する。
  • 臨床応用: 側頭葉聴覚野障害で皮質性聾は稀(両側性投射のため)、ウェルニッケ野障害で感覚性失語、側頭葉てんかんで幻聴。先天性両側内耳奇形で高度難聴。
比較表
感覚 視床の中継核 視床を経由するか
聴覚 内側膝状体
視覚 外側膝状体
体性感覚(触・痛温・深部) VPL(後外側腹側核)
味覚・顔面感覚 VPM(後内側腹側核)
嗅覚 なし(視床を経由しない) ×(唯一の例外)
解説画像
あマ指 第33回(2025) 問題20|内側膝状体で中継されるのはどれか。 解説図
あマ指 第33回(2025) 問題20|内側膝状体で中継されるのはどれか。
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