学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0562

理由で解く 解剖学

Q0562 神経系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題34
問題
痛みの伝導に関係のない部位はどれか。
選択肢
1 脊髄後角
2 視床
3 大脳基底核
4 中心後回
解答
正解3(大脳基底核)
解説
✗ 1. 誤り
脊髄後角
脊髄後角は痛み伝導の第一中継点である。一次ニューロン(後根神経節)からの痛覚線維(Aδ・C線維)はここでシナプスを作り、二次ニューロンに乗り換えて対側の外側脊髄視床路を上行する。後角のI層(辺縁層)・II層(膠様質)は痛覚処理の要所。
✗ 2. 誤り
視床
視床は痛覚を含む体性感覚の中継核であり、外側脊髄視床路の二次ニューロンがここでシナプスを形成する。視床後外側腹側核(VPL核)・腹側後内側核(VPM核)に終わった後、三次ニューロンが内包後脚を経て中心後回(体性感覚野)へ投射する。視床痛はこの中継点障害で生じる。
✓ 3. 正しい
大脳基底核
大脳基底核(尾状核・被殻・淡蒼球)は主に「運動の調節」に関わる皮質下灰白質で、痛覚の上行伝導路には含まれない。黒質・視床下核とループを組み、随意運動の企画・抑制を担う。パーキンソン病やハンチントン病で障害される部位である。痛覚の主要経路は「脊髄後角→外側脊髄視床路→視床VPL→中心後回」であり、大脳基底核はこのルートから外れる。
✗ 4. 誤り
中心後回
中心後回は一次体性感覚野(ブロードマン3・1・2野)であり、痛覚の最終到達先となる大脳皮質である。視床から三次ニューロンが投射し、ここで痛みの部位・強度・性質が識別される。頭頂葉の前端、中心溝の直後に位置する。
ポイント
  • 痛覚の上行路は「脊髄後角→外側脊髄視床路(対側へ交叉)→視床VPL核→内包後脚→中心後回」の4ニューロン系で、大脳基底核は通らない。
  • 覚え方のコツ: 痛覚は「後角→外側→視床→頭頂(中心後回)」と『後・外・視・頭』の4点セットで覚える。基底核は『運動の微調整』担当で感覚伝導には出てこないと区別。
  • 関連知識: 深部感覚・識別性触覚は後索路(薄束・楔状束)を上行し、延髄の内側毛帯で交叉。痛覚・温度覚は脊髄で交叉(外側脊髄視床路)する点が重要。
  • よくある間違い: 「基底核=感覚にも関わる」と思い込むミス/中心後回と中心前回を取り違える/痛覚の交叉部位を延髄と誤る(→実際は脊髄レベルで交叉)。
  • 臨床応用: 視床出血・梗塞(視床痛)では反対側半身に焼けつく痛みが生じる。脊髄前側索の外側脊髄視床路を選択的に切る脊髄前側索切截術は難治性痛に対する外科的鎮痛法として知られる。
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題34|痛みの伝導に関係のない部位はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題34|痛みの伝導に関係のない部位はどれか。
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