学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0563

理由で解く 解剖学

Q0563 神経系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題31
問題
誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 錐体路 ― 内包
2 嗅球 ― 大脳辺縁系
3 脊髄視床路 ― 後索核
4 視索 ― 外側膝状体
解答
正解3(脊髄視床路 ― 後索核)
解説
✗ 1.
錐体路 ― 内包
✗ 正しい。 本肢は正しい組合せなので「誤っている」選択肢ではない。錐体路(皮質脊髄路)は大脳皮質運動野(中心前回)の巨大錐体細胞から発する軸索が内包後脚を通って脳幹から脊髄へ下行するため、錐体路と内包は密接に対応する。
✗ 2.
嗅球 ― 大脳辺縁系
✗ 正しい。 本肢も正しい組合せである。嗅覚伝導路は視床を経由せず、嗅球(嗅神経の1次ニューロンが集まる構造)から嗅索を経て大脳辺縁系の嗅覚野に伝えられる系統発生学的に古い経路で、嗅球と大脳辺縁系の関連は正しい。
✓ 3. 誤り
脊髄視床路 ― 後索核
本肢は明確な誤った組合せで、本問の正解となる。後索核(薄束核・楔状束核)で2次ニューロンに中継されるのは、触圧覚・深部感覚を伝える「後索路(長後索路)」であり、脊髄視床路とは別経路である。脊髄視床路のうち外側脊髄視床路は痛温覚を伝え、脊髄後角で2次ニューロンに交代してすぐに脊髄レベルで対側に交叉し外側索を上行、視床外側後核に終わる。つまり脊髄視床路の中継核は「視床(外側後核)」であって後索核ではない。「脊髄視床路=痛温覚=後角→脊髄で交叉」と「後索路=触圧覚・深部感覚=延髄後索核→延髄で交叉」を明確に区別する必要がある。
✗ 4.
視索 ― 外側膝状体
✗ 正しい。 本肢も正しい組合せである。網膜神経節細胞の軸索は視神経→視神経交叉→視索を経て外側膝状体(間脳)に至り、ここで3次ニューロンに中継され、視放線として内包後部を通って後頭葉の視覚野に達する。視索から外側膝状体への投射は古典的な視覚伝導路の中継点である。
ポイント
  • 脊髄視床路=痛温覚(脊髄で交叉・視床中継)、後索路=触圧覚・深部感覚(延髄後索核で交叉)。
  • 覚え方のコツ: 「痛温は下で(脊髄で)交叉、深部は上で(延髄で)交叉」のペアで交叉レベルを暗記。
  • 関連知識: 嗅覚は唯一「視床を経由しない」感覚で、嗅球→嗅索→大脳辺縁系/嗅覚野へ直結する。
  • よくある間違い: 脊髄視床路と後索路の中継核・交叉レベルの混同、視放線と聴放線の混同が頻出。
  • 臨床応用: 脊髄半側損傷(Brown-Séquard症候群)では、損傷レベル以下で「同側の深部感覚・運動麻痺」「対側の痛温覚障害」と解離する(交叉レベルの違いによる)。
比較表
伝導路 感覚種類 中継核(2次)
外側脊髄視床路 痛覚・温度覚 脊髄後角(その後視床)
後索路(長後索路) 触圧覚・深部感覚 延髄の後索核
視覚路 視覚 外側膝状体(3次)
嗅覚路 嗅覚 嗅球(視床を経ず辺縁系へ)
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題31|誤っている組合せはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題31|誤っている組合せはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手