学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ C. 甲状腺 / Q0469

理由で解く 解剖学

Q0469 内分泌系

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題21
問題
甲状腺について正しいのはどれか。
選択肢
1 前面に上皮小体がある。
2 組織内に多数の濾胞がある。
3 喉頭と気管の移行部全周を囲む。
4 上甲状腺動脈は鎖骨下動脈の枝である。
解答
正解2(組織内に多数の濾胞がある。)
解説
✗ 1. 誤り
前面に上皮小体がある。
上皮小体は甲状腺の前面ではなく「後面」に上下1対計4個が埋め込まれるように存在する。後面に位置するからこそ、甲状腺全摘術では後面の剥離操作で上皮小体を温存することが可能となる。
✓ 2. 正しい
組織内に多数の濾胞がある。
甲状腺の組織像の最大の特徴は、単層立方上皮でできた直径0.2mm前後の袋状構造(濾胞)が無数に密に集合している点にある。濾胞腔はサイログロブリンを主成分とするコロイドで満たされ、濾胞上皮細胞はサイログロブリンをヨード化・分解してT4・T3を血中に分泌する。濾胞間には傍濾胞細胞(C細胞)が散在し、カルシトニンを分泌して血中Caを下げる。この「多数の濾胞」構造は他の内分泌器官(下垂体・副腎・膵島など)にはみられない組織学的特徴であり、組織診断の決め手となる。
✗ 3. 誤り
喉頭と気管の移行部全周を囲む。
甲状腺は喉頭〜気管上部の前外側を左右の葉と正中の峡部でH字〜U字形に覆うが、気管全周を囲むわけではない。気管後面は食道との境界面にあり、甲状腺はそこまで到達しない。「囲む」の誤答が典型的ひっかけ。
✗ 4. 誤り
上甲状腺動脈は鎖骨下動脈の枝である。
上甲状腺動脈は「外頸動脈」の最初の枝で、鎖骨下動脈の枝ではない。鎖骨下動脈の甲状頸動脈から分岐するのは下甲状腺動脈で、両者を混同しないよう注意する。
ポイント
  • 甲状腺組織は単層立方上皮でできた多数の濾胞からなり、濾胞腔にコロイドを貯蔵する。
  • 覚え方のコツ: 「濾胞+コロイド+C細胞」のトリオで甲状腺を記憶。濾胞=T4/T3、C細胞=カルシトニン。
  • 関連知識: 濾胞はヨードをヨウ化物イオンとして取り込み、サイログロブリンの特定チロシン残基をヨード化してT4・T3を産生、必要時にサイログロブリンを加水分解して血中に放出する。
  • よくある間違い: 上皮小体を前面と誤認/甲状腺が気管全周を囲むと誤認/上甲状腺動脈を鎖骨下動脈由来と誤認。
  • 臨床応用: バセドウ病(グレーブス病)では濾胞上皮が過形成となりTSH受容体抗体の刺激でT3・T4過剰分泌をきたす。橋本病では自己抗体によるリンパ球浸潤で濾胞破壊が進み、甲状腺機能低下となる。
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題21|甲状腺について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題21|甲状腺について正しいのはどれか。
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