学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ C. 甲状腺 / Q0466

理由で解く 解剖学

Q0466 内分泌系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題25
問題
甲状腺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 後面には上皮小体が付着する。
2 甲状軟骨に包まれている。
3 濾胞構造が発達している。
4 サイロキシンを分泌する。
解答
正解2(甲状軟骨に包まれている。)
解説
✗ 1.
後面には上皮小体が付着する。
✗ 正しい。 この記述は正しい。上皮小体は甲状腺の後面に上下1対計4個が埋め込まれるように付着する米粒大の内分泌腺で、設問が求める「誤った記述」ではない。
✓ 2. 誤り
甲状軟骨に包まれている。
この記述は誤り。甲状腺は甲状軟骨に「包まれる」のではなく、甲状軟骨の前下面から第2〜4気管軟骨の前外側を外側から覆うように位置する。両者はあくまで隣接する別器官で、甲状腺は結合組織性の線維性被膜(外被膜)に包まれ、その外側を浅頸筋膜・舌骨下筋群が覆う。名前が似ているが「甲状軟骨の中に甲状腺が入っている」わけではない点が典型的なひっかけとなる。
✗ 3.
濾胞構造が発達している。
✗ 正しい。 この記述は正しい。甲状腺は単層立方上皮でできた直径0.2mm前後の濾胞が無数に集まった構造をとり、濾胞腔にはサイログロブリンを主成分とするコロイドが貯蔵される。この濾胞構造は甲状腺組織像の最大の特徴である。
✗ 4.
サイロキシンを分泌する。
✗ 正しい。 この記述は正しい。濾胞上皮細胞はサイログロブリンをヨード化・分解して甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)およびトリヨードサイロニン(T3)を血中に放出し、全身の代謝を亢進させる。
ポイント
  • 甲状腺は甲状軟骨に「包まれる」のではなく、甲状軟骨前下面から気管上部の前外側を「覆う」位置関係にある。
  • 覚え方のコツ: 「甲状軟骨=喉頭の骨性枠、甲状腺=その下を覆う蝶形内分泌腺」と軟骨と腺を明確に分けて覚える。
  • 関連知識: 甲状腺は結合組織性の線維性被膜に覆われ、さらにその外側を中頸筋膜(気管前層)が包む。嚥下で甲状軟骨と一緒に上下するのはこの膜で結合されているため。
  • よくある間違い: 「甲状『腺』は甲状『軟骨』の中にある」と誤認する/甲状腺の濾胞構造を間違える。甲状軟骨は喉頭の枠組み、甲状腺はその外表面に沿う腺。
  • 臨床応用: 嚥下時に頸前部が甲状軟骨とともに上下する腫瘤は甲状腺由来の可能性が高く、頸部正中嚢胞(甲状舌管嚢胞)と鑑別する。舌挙上で挙上するのは正中嚢胞。
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題25|甲状腺について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題25|甲状腺について誤っている記述はどれか。
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