
この図の解説
図の下半分は精細管を輪切りにした断面で、中央の白い抜けが精子の通り道となる内腔である。周囲の壁(精上皮)に注目すると、細胞が層をなして並んでいるのが分かる。右上の拡大図はこの壁を平らに引き伸ばしたもので、基底側から内腔側へ向かって細胞が成熟していく流れを示す。いちばん外側(基底側)にある精祖細胞が幹細胞として自己複製しつつ分裂を始め、精母細胞→精娘細胞→精子細胞と進み、内腔側で精子として完成して離れていく。この過程で第1・第2減数分裂が起こり、精子の染色体数は体細胞の半分の23本となる。壁を縦に貫く背の高い細胞がセルトリ細胞で、精子産生細胞を保持し栄養を与える。精細管と精細管の間(間質)に散在する細胞がライディッヒ細胞(間細胞)で、男性ホルモンを分泌する。図の役割は「精子をつくる細胞」と「それを支える2種類の細胞」を位置で見分けることにある。
学習の要点
- 精子産生の順序は基底側から内腔側へ:精祖細胞→精母細胞→精娘細胞→精子細胞→精子。成熟するほど内腔に近づく。
- 覚え方のコツ:「祖・母・娘・子」と家系のように並べると順序を忘れにくい。染色体は減数分裂で23本(体細胞の半分)に減る。
- 関連知識:セルトリ細胞は精子産生細胞を保持・栄養する支持細胞で、血液精巣関門をつくり免疫系から精子産生細胞を隔離する。ライディッヒ細胞はテストステロンなどの男性ホルモンを分泌する。
- よくある間違い:セルトリ細胞とライディッヒ細胞の働きを取り違えやすい。栄養・保持=セルトリ、ホルモン分泌=ライディッヒ。ライディッヒ細胞は精細管の「中」ではなく「間(間質)」にある。
- 臨床応用:ライディッヒ細胞由来の男性ホルモンが二次性徴(ひげ・声変わり・筋肉発達)をもたらす。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
精細管と精細管の間の間質に散在し、テストステロンなどの男性ホルモンを分泌する細胞を( )細胞という。
答えを見る
答え: ライディッヒ(間)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。