学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0389

理由で解く 解剖学

Q0389 泌尿器系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題23
問題
尿道について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 女性の尿道は腟前庭に開口する。
2 男性の尿道は尿道海綿体の中を走る。
3 尿道上皮は粘膜上皮である。
4 尿道括約筋は平滑筋である。
解答
正解4(尿道括約筋は平滑筋である。)
解説
✗ 1.
女性の尿道は腟前庭に開口する。
✗ 正しい。 女性の外尿道口は小陰唇の内側、陰核と腟口に挟まれた腟前庭の正中やや上方に開口する。この領域を腟前庭と呼び、導尿カテーテル挿入時の視認が必要となる部位である。
✗ 2.
男性の尿道は尿道海綿体の中を走る。
✗ 正しい。 男性尿道は尿生殖隔膜を貫いたあと(隔膜部)、陰茎の腹側を走る無対の尿道海綿体の中を前進し(海綿体部)、陰茎亀頭の先端で外尿道口に開く。尿道海綿体は陰茎海綿体の下面に沿って走り、前端が膨大して亀頭を形成する。
✗ 3.
尿道上皮は粘膜上皮である。
✗ 正しい。 尿道内面は粘膜で覆われ、膀胱に近い部分は尿路系と同じ移行上皮、中間部は多列円柱上皮・重層円柱上皮、外尿道口付近は外界との境界に近いため重層扁平上皮へ連続的に変化する。いずれも粘膜上皮であるから、設問の記述は正しい。
✓ 4. 誤り
尿道括約筋は平滑筋である。
本選択肢が設問の誤りであり、正答となる。「尿道括約筋」と単独で言う場合は一般に外尿道括約筋を指し、これは尿生殖隔膜を貫く部位に発達する横紋筋性の随意筋で、陰部神経(体性神経)により支配される。平滑筋ではない。膀胱括約筋(内尿道括約筋)であれば平滑筋・不随意・自律神経支配であり、両者を混同しないことが重要である。排尿反射は副交感神経(骨盤内臓神経)が排尿筋を収縮させるとともに内尿道括約筋を弛緩させ、さらに大脳からの命令で外尿道括約筋も弛緩して完遂される。
ポイント
  • 「尿道括約筋」は通常、外尿道括約筋=横紋筋・随意・陰部神経支配を指す。内尿道括約筋は平滑筋・不随意・自律神経支配で別物。
  • 覚え方のコツ: 外=横(よこ)・随意、内=平・不随意。筋名の「外/内」と「横紋/平滑」を対応させて一気に暗記する。
  • 関連知識: 尿道粘膜上皮は膀胱側から順に移行上皮→多列円柱上皮→重層円柱上皮→重層扁平上皮と変化する。外尿道口付近は体表皮膚と連続するため重層扁平となる。
  • よくある間違い: 尿道括約筋を平滑筋と誤る/女性外尿道口を腟後壁と混同する/尿道海綿体を陰茎海綿体と取り違える。
  • 臨床応用: 脊髄損傷で仙髄(S2-4)以下の下位運動ニューロンが障害されると、外尿道括約筋の随意制御が失われ尿失禁・尿閉を生じる。骨盤底筋訓練(ケーゲル体操)は外尿道括約筋を含む横紋筋を鍛えて腹圧性尿失禁を改善する。
比較表
項目 内尿道括約筋 外尿道括約筋
別名 膀胱括約筋 尿道括約筋
筋の種類 平滑筋 横紋筋
支配神経 下腹神経(交感)/骨盤内臓神経(副交感) 陰部神経(体性)
随意性 不随意 随意
部位 膀胱内尿道口周囲 尿生殖隔膜部
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題23|尿道について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題23|尿道について誤っている記述はどれか。
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