学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0299

理由で解く 解剖学

Q0299 消化器系

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題22
問題
小腸にみられないのはどれか。
選択肢
1 腸絨毛
2 腹膜垂
3 孤立リンパ小節
4 輪状ヒダ
解答
正解2(腹膜垂)
解説
✗ 1.
腸絨毛
✗ 正しい。 腸絨毛は小腸粘膜表面に密生する指状の突起で、高さ0.5〜1.2mm、粘膜1mm²あたり約30本、全体で500万本以上にのぼる。中軸を1本の中心リンパ管(乳び管)が走り周囲を毛細血管網が取り囲む。腸絨毛は小腸の吸収面積を10倍に拡大する機能的構造で、小腸の最も代表的な構造の一つである。
✓ 2. 誤り
腹膜垂
腹膜垂(脂肪垂)は大腸(結腸)の漿膜面にぶら下がる小さな脂肪性の突起で、小腸には存在しない。大腸の三大特徴は「結腸ヒモ(縦走筋の局在集中)」「結腸膨起(ハウストラ)」「腹膜垂」であり、これらを見れば腹腔内で大腸と小腸を区別できる。したがって「小腸にはない構造」として腹膜垂は決定的な鑑別点となる。
✗ 3.
孤立リンパ小節
✗ 正しい。 孤立リンパ小節は小腸・大腸の粘膜固有層にごま粒大に散在するリンパ小節で、小腸全体にわたって存在する。回腸下部ではこれらが集合してパイエル板(集合リンパ小節)を形成する。小腸粘膜に含まれる代表的な免疫組織として機能する。
✗ 4.
輪状ヒダ
✗ 正しい。 輪状ヒダ(ケルクリングのひだ)は小腸粘膜が内腔に向かって輪状に突出したヒダで、十二指腸では下方に行くほど増加し空腸上部で最も発達する。吸収面積を3倍に拡大する機能をもち、小腸の代表的構造として重要である。回腸末端では小さく不規則となり消失する。
ポイント
  • 腹膜垂(脂肪垂)は大腸固有の構造で、小腸には存在しない。
  • 覚え方のコツ: 「大腸3兄弟=結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂」をセットで覚え、小腸と区別する。
  • 関連知識: 小腸の吸収面積は輪状ヒダ(×3)→腸絨毛(×10)→微絨毛(×20)の三段階で体表面積の約100倍(200m²)に拡大する。
  • よくある間違い: 腹膜垂を小腸にあると勘違いする/結腸ヒモと腸間膜を混同する/輪状ヒダを大腸にあると誤認する。
  • 臨床応用: 開腹手術や腹腔鏡手術で小腸と大腸を肉眼鑑別する際、腹膜垂・結腸膨起・結腸ヒモの有無が決定的な指標となる。
比較表
構造 小腸 大腸
輪状ヒダ(ケルクリング) あり なし
腸絨毛 あり なし
孤立リンパ小節 あり あり
パイエル板 あり(回腸下部) なし
結腸ヒモ・結腸膨起 なし あり
腹膜垂(脂肪垂) なし あり
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題22|小腸にみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題22|小腸にみられないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手