学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0298

理由で解く 解剖学

Q0298 消化器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題20
問題
腸管とその構造との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 十二指腸 ― 腸間膜
2 空腸 ― 腸腺
3 回腸 ― 腹膜垂
4 横行結腸 ― 腸絨毛
解答
正解2(空腸 ― 腸腺)
解説
✗ 1. 誤り
十二指腸 ― 腸間膜
十二指腸は後腹壁に固定された腹膜後器官であり、腸間膜を持たない。十二指腸特有の腺組織は粘膜下層にある十二指腸腺(ブルンナー腺)で、アルカリ性粘液を分泌して胃酸を中和する。「十二指腸=ブルンナー腺」の組合せが正しく、「十二指腸=腸間膜」は矛盾する。
✓ 2. 正しい
空腸 ― 腸腺
腸腺(リーベルキューン陰窩)は小腸粘膜全体に存在する単純管状腺で、腸絨毛と腸絨毛の間の小さな孔から腸液(電解質と消化酵素を含む)を分泌する。特に空腸では輪状ヒダ・腸絨毛の発達が顕著で、腸腺もよく発達しているため、消化吸収の主要な場として機能する。腸腺底部にはパネート細胞が存在し抗菌ペプチド(デフェンシンなど)を分泌、中間部には腸上皮幹細胞があり上皮の自己更新を担う。「空腸=腸腺(+発達した輪状ヒダ・絨毛)」の組合せは正確である。
✗ 3. 誤り
回腸 ― 腹膜垂
腹膜垂(脂肪垂)は大腸(結腸)の漿膜面に多数ぶら下がる小さな脂肪性の突起で、小腸である回腸には存在しない。回腸の特徴は粘膜固有層のパイエル板(集合リンパ小節)が回腸下部に多いこと、および腸間膜を持つことである。「回腸=パイエル板」が典型的な組合せとなる。
✗ 4. 誤り
横行結腸 ― 腸絨毛
腸絨毛は小腸粘膜の特徴的構造で、大腸(横行結腸を含む)には存在しない。横行結腸の粘膜はなめらかで陰窩(腸腺)のみを持ち、結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂という大腸特有の3構造を備える。「横行結腸=結腸ヒモ・腹膜垂」などが正しい組合せとなる。
ポイント
  • 腸腺(リーベルキューン陰窩)は小腸全体に存在し、空腸では発達した絨毛とともに吸収機能の中核を担う。
  • 覚え方のコツ: 「小腸=絨毛+腸腺/大腸=結腸ヒモ+腹膜垂+結腸膨起」と構造を左右ペアで対比する。
  • 関連知識: 十二指腸の粘膜下層にはブルンナー腺(十二指腸腺)、回腸下部には集合リンパ小節(パイエル板)が特徴的に存在する。
  • よくある間違い: 腸絨毛・腸腺を大腸にもあると誤解する/腹膜垂を小腸に当てはめる/十二指腸に腸間膜があると勘違いする。
  • 臨床応用: リーベルキューン陰窩底部の腸上皮幹細胞は上皮のターンオーバー(3〜5日)を担い、放射線・抗癌剤で障害されると重篤な下痢・吸収不良を来す。
比較表
腸管 特徴構造
十二指腸 ブルンナー腺(粘膜下)、大十二指腸乳頭
空腸 輪状ヒダ・腸絨毛・腸腺が発達
回腸 パイエル板(集合リンパ小節)が多い
大腸(結腸) 結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂(脂肪垂)
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題20|腸管とその構造との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題20|腸管とその構造との組合せで正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手