学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0297

理由で解く 解剖学

Q0297 消化器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題20
問題
小腸について正しい記述はどれか。
選択肢
1 十二指腸の長さは約12cmである。
2 総胆管が空腸に開口する。
3 集合リンパ節(パイエル板)は回腸下部に多い。
4 虫垂は小腸に属する。
解答
正解3(集合リンパ節(パイエル板)は回腸下部に多い。)
解説
✗ 1. 誤り
十二指腸の長さは約12cmである。
十二指腸の長さは約25cmで、指を横に12本並べた長さ(=12横指)にほぼ相当することから「十二指腸」の名がつけられた。12cmではなく「12本分」の意味であり、語源を正確に覚えることが重要である。C字状に膵頭を囲み、後腹壁に固定される腹膜後器官として機能する。
✗ 2. 誤り
総胆管が空腸に開口する。
総胆管は肝臓から下行し膵頭部を貫いて主膵管と合流し、十二指腸下行部の左側壁にある大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口する。空腸ではなく十二指腸が開口部位であり、開口部ではオッディ括約筋が胆汁・膵液の流出を調節する。
✓ 3. 正しい
集合リンパ節(パイエル板)は回腸下部に多い。
パイエル板は粘膜固有層に存在する長さ2〜4cmの小判状の集合リンパ小節で、回腸下部に最も多く分布する。回腸は空腸より内容物の停滞時間が長く抗原曝露量が多いため、リンパ組織を発達させて腸管内の異物を効率よく処理する必要がある。パイエル板上のM細胞が腸管内の抗原を取り込み、内部で待機するマクロファージ・リンパ球に抗原提示を行い、形質細胞に分化したB細胞が分泌型IgAを産生して局所免疫を担う。この腸チフスや潰瘍性病変の好発部位としても重要である。
✗ 4. 誤り
虫垂は小腸に属する。
虫垂は盲腸下端から突出する細長い突起で、大腸(盲腸)の一部として分類される。小腸は十二指腸・空腸・回腸の3部からなり、回腸末端は回盲口で大腸(盲腸)に移行する。虫垂は豊富なリンパ組織を持つことから「腹部の扁桃」とも呼ばれるが、解剖学的区分は大腸である。
ポイント
  • パイエル板は回腸下部に多く分布する集合リンパ小節で、腸管免疫(GALT)の中心である。
  • 覚え方のコツ: 「十二指腸=12横指(約25cm)」「総胆管→ファーター乳頭→十二指腸」「虫垂=大腸所属」と対比で固定する。
  • 関連知識: 小腸は十二指腸・空腸・回腸の3部からなり、粘膜には輪状ヒダ・腸絨毛・微絨毛の三段階の表面積拡大機構がある。
  • よくある間違い: 「十二指腸=12cm」と語源を誤解する/総胆管の開口部を空腸と答える/虫垂を小腸と誤分類する。
  • 臨床応用: 回腸末端部〜パイエル板はクローン病や腸チフスの好発部位で、口内炎+下痢+右下腹部痛のパターンでクローン病を鑑別する。
比較表
部位 長さ 特徴
十二指腸 約25cm(12横指) C字形、後腹壁に固定、大十二指腸乳頭に総胆管+主膵管開口
空腸 小腸全体の2/5 左上腹部、輪状ヒダ発達、腸間膜あり
回腸 小腸全体の3/5 右下腹部、パイエル板多い、腸間膜あり
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題20|小腸について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題20|小腸について正しい記述はどれか。
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