
この図の解説
この図は小腸のうち腸間膜をもつ空腸と回腸を、内面を開いて並べたものである。右上の表がまず要点で、空腸は消化管のはじめの2/5を占めて左上腹部にあり輪状ヒダが多い、回腸は終わりの3/5を占めて右下腹部にありヒダは少なくパイエル板をもつ、と対比される。左の円筒には輪状ヒダに腸絨毛が重なる粘膜面と、筋層・腸間膜・漿膜下脂肪組織が示され、ごま粒大の孤立リンパ小節と、小判状に隆起した集合リンパ小節(パイエル板)が読み取れる。右の拡大図は小腸粘膜の断面で、表面から微絨毛・杯細胞・腸絨毛が並び、絨毛の間の腸陰窩(腸腺)、その下に粘膜固有層・粘膜筋板・粘膜下組織が層をなす。輪状ヒダ→腸絨毛→微絨毛と入れ子に面積を広げる吸収の仕組みを、肉眼像と組織像の二段構えで見るのがねらいである。
学習の要点
- 空腸は「はじめの2/5・左上腹部・輪状ヒダ多い」、回腸は「終わりの3/5・右下腹部・パイエル板」と対で覚える。
- 覚え方のコツ: 数の並びは 空腸2/5→回腸3/5 で足すと5/5。パイエル板は消化管の「終わり」側にあたる回腸下部、と位置で結びつける。
- 関連知識: 吸収面積は輪状ヒダで3倍、腸絨毛で10倍、微絨毛で20倍に拡大し、小腸粘膜全体で約200m²になる。腸絨毛の中心リンパ管に入った脂肪は乳びとなり肝臓を経ず胸管へ向かう。
- よくある間違い: 空腸と回腸の位置(左上腹部と右下腹部)の取り違え、パイエル板を空腸に置く誤り、輪状ヒダが最も発達するのを回腸としてしまう誤り。
- 臨床応用: 回腸末端に多いパイエル板はM細胞を介して腸管免疫の中心となり、腸チフスや炎症性腸疾患で病変の好発部位となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
回腸下部に多く、リンパ小節が集まって小判状(長さ2〜4cm)に見えるものを( )という。
答えを見る
答え: 集合リンパ小節(パイエル板)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。