
この図の解説
この図は小腸粘膜を「肉眼」と「顕微鏡」の二つの倍率で並べて見せている。左は空腸と回腸を開いた標本で、内面に走る輪状ヒダと、粘膜固有層に集まる孤立リンパ小節・集合リンパ小節(パイエル板)を確認したい。右は粘膜の断面で、指状に立ち上がる腸絨毛、その根本に開く腸陰窩(腸腺)、上皮に点在する杯細胞、そして粘膜上皮を単層円柱上皮とその表面をおおう微絨毛(右上の電顕像)まで層をたどれる。押さえどころは、輪状ヒダ・腸絨毛・微絨毛の三段構えが吸収面積を稼ぐ仕掛けだという点。それぞれ約3倍・10倍・20倍に面積を広げ、掛け合わせで小腸粘膜の表面積は桁違いに拡大する。粘膜は上皮・粘膜固有層・粘膜筋板の順に並び、その外側に粘膜下組織が続く配置も図で読み取れる。
学習の要点
- 小腸粘膜の吸収面積は輪状ヒダ・腸絨毛・微絨毛の三段階で拡大される。
- 覚え方のコツ: 拡大率は「ヒダ3・絨毛10・微絨毛20」の順で大きくなる。数が小→大の階段。
- 関連知識: 腸絨毛の吸収経路は栄養素で分かれ、糖質とタンパク質は毛細血管から肝臓へ、脂肪は中心リンパ管に入り乳びとなる。
- よくある間違い: 微絨毛の上皮を重層扁平上皮とするミス。分泌・吸収を行う小腸は単層円柱上皮。
- 臨床応用: パイエル板は回腸下部に多く、腸管免疫の最前線。免疫グロブリンAの分泌に関わる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
腸絨毛の中軸には1本の( )が走り、粘膜上皮から吸収された脂肪はここに入って乳びとなる。
答えを見る
答え: 中心リンパ管(毛細リンパ管)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。