学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0629

理由で解く 解剖学

Q0629 神経系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題19
問題
筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 三角筋 ― 胸背神経
2 大円筋 ― 長胸神経
3 上腕筋 ― 筋皮神経
4 回外筋 ― 正中神経
解答
正解3(上腕筋 ― 筋皮神経)
解説
✗ 1. 誤り
三角筋 ― 胸背神経
三角筋の支配神経は胸背神経ではなく「腋窩神経」(C5-C6、後束由来)である。胸背神経は同じ後束から分かれるが、広背筋を専属支配する別の神経。三角筋を支配するのは腋窩神経で、上腕骨外科頸後面を回って肩外転を担う。
✗ 2. 誤り
大円筋 ― 長胸神経
大円筋の支配神経は長胸神経ではなく「肩甲下神経(下肩甲下神経)」(C5-C6、後束由来)である。長胸神経は腕神経叢の根部から起こり「前鋸筋」を専属支配する神経で、損傷で翼状肩甲を生じる。両者を混同しないよう注意。
✓ 3. 正しい
上腕筋 ― 筋皮神経
上腕筋は上腕骨前面から起こり尺骨粗面に停止する純粋な肘屈曲筋(一関節筋)で、上腕二頭筋・烏口腕筋とともに上腕屈筋群を構成する。これら3筋すべてが「筋皮神経」(C5-C7、外側束由来)支配であり、組合せは正しい。前腕回外を伴わない純粋な肘屈曲を担う重要筋。
✗ 4. 誤り
回外筋 ― 正中神経
回外筋の支配神経は正中神経ではなく「橈骨神経」(深枝=後骨間神経)である。回外筋は橈骨神経深枝が回外筋管を貫いて前腕背側に出る経路で支配される。前腕回内は正中神経支配(円回内筋・方形回内筋)、前腕回外は橈骨神経支配(回外筋・上腕二頭筋)と対比して覚える。
ポイント
  • 上腕筋は上腕二頭筋に隠れた純粋な肘屈曲筋で、烏口腕筋・上腕二頭筋とともに筋皮神経の支配を受ける上腕屈筋三兄弟の一員。
  • 覚え方のコツ: 「胸背=広背筋/長胸=前鋸筋」という後束の枝を取り違えないようペアで覚える。「腋窩=三角」「肩甲下=大円筋+肩甲下筋」と数珠つなぎに記憶。
  • 関連知識: 上腕筋は二頭筋の深層に位置し、橈骨が回内・回外いずれの位置でも肘屈曲を行う「働き者の屈曲筋」。前腕屈曲時には主動作筋として機能する。
  • よくある間違い: 「胸背神経=前鋸筋」「長胸神経=広背筋」と神経名を入れ替える誤り。「胸背の”背”=広背筋」「長胸の”胸”=前鋸筋(胸壁横)」と漢字で対応づけて記憶する。
  • 臨床応用: 長胸神経麻痺(リュックサック症状・胸部手術合併症)では前鋸筋麻痺による翼状肩甲(肩甲骨内側縁が浮き上がる)が出現し、前方への上肢挙上が90度以上困難となる。
比較表
正しい支配神経 神経の起始
三角筋 腋窩神経 後束
広背筋 胸背神経 後束
大円筋 肩甲下神経(下) 後束
前鋸筋 長胸神経 神経根(C5-C7)
上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋 筋皮神経 外側束
回外筋 橈骨神経深枝 後束
円回内筋・方形回内筋 正中神経 外側+内側束
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題19|筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題19|筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。
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