学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0630

理由で解く 解剖学

Q0630 神経系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題30
問題
腰神経叢の分枝でないのはどれか。
選択肢
1 大腿神経
2 陰部大腿神経
3 閉鎖神経
4 下殿神経
解答
正解4(下殿神経)
解説
✗ 1.
大腿神経
✗ 正しい。 大腿神経(L2-L4)は腰神経叢の最大の分枝で、筋裂孔を通って大腿前面に出て大腿四頭筋・縫工筋を支配し、伏在神経として下腿内側皮膚も担う。腰神経叢の代表選手なので「分枝である」が正解。
✗ 2.
陰部大腿神経
✗ 正しい。 陰部大腿神経(L1-L2)は腰神経叢の比較的小さな分枝で、大腿枝が大腿前面上部の皮膚を、陰部枝が陰嚢(女性では大陰唇)と精索を支配する。大腿輪・鼠径管周辺の感覚を担うため腰神経叢の正規メンバー。
✗ 3.
閉鎖神経
✗ 正しい。 閉鎖神経(L2-L4)は大腿神経と並ぶ腰神経叢の代表的分枝で、閉鎖管を通って大腿内側に出る。内転筋群(長/短/大内転筋・薄筋)と大腿内側皮膚の感覚を担当するため、腰神経叢の正規メンバー。
✓ 4. 誤り
下殿神経
✓ 正しい(=腰神経叢の分枝でない)。 下殿神経(L5-S2)は「仙骨神経叢」の分枝で、梨状筋下孔を通って大殿筋を支配する運動神経である。腰神経叢には属さない。同じく仙骨神経叢由来の上殿神経(L4-S1)は梨状筋上孔を通り、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配する。両殿筋神経はセットで仙骨神経叢由来と覚える。
ポイント
  • 腰神経叢(T12-L4)の主な分枝は腸骨下腹神経・腸骨鼠径神経・陰部大腿神経・外側大腿皮神経・大腿神経・閉鎖神経の6本で、下殿神経・上殿神経は仙骨神経叢由来。
  • 覚え方のコツ: 「殿筋=仙骨神経叢」と暗記。腰神経叢のキーワードは「大腿前面・内側」、仙骨神経叢のキーワードは「殿部・大腿後面」と支配部位で2分割。
  • 関連知識: 腰神経叢は大腰筋の中で形成され、各分枝は大腰筋の前外側または後内側から出る。腰仙骨神経幹(L4-L5)が仙骨神経叢に合流して両叢を連結する。
  • よくある間違い: 殿部の神経をすべて腰神経叢由来と思い込みやすい。上殿神経・下殿神経・後大腿皮神経・坐骨神経はすべて仙骨神経叢由来である。
  • 臨床応用: 大腰筋膿瘍では腰神経叢障害が起こり、大腿神経・閉鎖神経麻痺により大腿屈曲拘縮・内転筋群麻痺・膝蓋腱反射消失が出現する。下殿神経麻痺では大殿筋麻痺で立ち上がり困難となる。
比較表
神経叢 主な分枝
腰神経叢(T12-L4) 腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経、陰部大腿神経、外側大腿皮神経、大腿神経、閉鎖神経
仙骨神経叢(L4-S3) 上殿神経、下殿神経、後大腿皮神経、坐骨神経
陰部神経叢(S2-S4) 陰部神経
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題30|腰神経叢の分枝でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題30|腰神経叢の分枝でないのはどれか。
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