学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0565

理由で解く 解剖学

Q0565 神経系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題31
問題
感覚伝導路と中継核との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 視覚伝導路 ― 外側膝状体
2 味覚伝導路 ― 孤束核
3 平衡覚伝導路 ― 蝸牛神経核
4 深部知覚伝導路 ― 後索核
解答
正解3(平衡覚伝導路 ― 蝸牛神経核)
解説
✗ 1.
視覚伝導路 ― 外側膝状体
✗ 正しい。 本肢は正しい組合せのため選ぶべきでない。網膜の神経節細胞(2次ニューロン)からの軸索は視神経→視交叉→視索を経て間脳の外側膝状体に至り、ここで3次ニューロンに中継される。その後視放線として内包後部を通り、後頭葉の視覚野に投射する。
✗ 2.
味覚伝導路 ― 孤束核
✗ 正しい。 本肢も正しい組合せである。舌の味蕾で受容された味覚情報は顔面神経(舌前2/3)・舌咽神経(舌後1/3)により延髄へ入り、延髄背側の孤束核で2次ニューロンに中継される。その後視床を経て大脳皮質の味覚野(中心後回下部)に達する。
✓ 3. 誤り
平衡覚伝導路 ― 蝸牛神経核
本肢は誤った組合せで、本問の正解となる。平衡覚(平衡感覚)は内耳の前庭器官(半規管・球形囊・卵形囊)で受容され、前庭神経を介して脳幹の「前庭神経核」に入り、その大部分は小脳に投射する。一方の「蝸牛神経核」は聴覚伝導路の中継核で、蝸牛で受容した音刺激を伝える蝸牛神経が終わる場所である。つまり中継核が蝸牛神経核となるのは聴覚であって、平衡覚ではない。「前庭=平衡/蝸牛=聴覚」と対で押さえれば混同しない。平衡覚は大脳皮質にはごく少数しか投射せず、ほとんど意識されないという点も特徴である。
✗ 4.
深部知覚伝導路 ― 後索核
✗ 正しい。 本肢は正しい組合せである。筋紡錘・腱紡錘由来の深部知覚や触圧覚は、脊髄後索(薄束・楔状束)を同側上行し、延髄の後索核(薄束核・楔状束核)で2次ニューロンに中継される。2次ニューロンの軸索は延髄で対側に交叉して内側毛帯をつくり、視床を経て中心後回体性感覚野に終わる。
ポイント
  • 平衡覚の中継核は「前庭神経核」、聴覚の中継核は「蝸牛神経核」。両者を混同しない。
  • 覚え方のコツ: 内耳の「前庭器官=平衡→前庭神経核」、「蝸牛=聴覚→蝸牛神経核」と、受容器と核を同じ名前で結ぶ。
  • 関連知識: 平衡覚は大脳皮質にごく少数しか投射せず、大部分は小脳に送られて姿勢・運動調節に使われるため意識されにくい。
  • よくある間違い: 前庭神経核を蝸牛神経核と取り違える/視覚の中継核を内側膝状体(聴覚)と誤る。
  • 臨床応用: 前庭神経核の障害(脳幹梗塞など)では回転性めまい・眼振・平衡障害をきたし、蝸牛神経核障害では難聴を生じる。
比較表
感覚 受容器 中継核
視覚 網膜視細胞 外側膝状体
聴覚 蝸牛 蝸牛神経核(一次中継)
平衡覚 前庭器官(半規管・耳石器) 前庭神経核
味覚 味蕾 孤束核
深部知覚・触圧覚 筋紡錘・マイスネル小体等 後索核(薄束核・楔状束核)
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題31|感覚伝導路と中継核との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題31|感覚伝導路と中継核との組合せで誤っているのはどれか。
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